お祭りラッシュ

ここ1ヶ月は、怒涛のお祭りラッシュだった。私の周りにはいろいろな地方出身のいろいろな宗教の人がいるので、今年は特にさまざまなお祭りについて見聞きすることが多かった。以下は、そんなお祭りのここ1ヶ月の記録である。
ノーローズ
新聞によると8月20日は、パールスィー(ゾロアスター教徒、拝火教徒とも言う)の元日だった。去年も8月20日だったので、インドのパールスィーのノーローズは毎年8月20日なのかもしれない。この日、各地のゾロアスター教徒はゾロアスター教寺院ことファイヤー・テンプルに初詣でをしたらしい。
ラクシュミー・プージャー
8月24日は、ラクシュミー・プージャーの日だった。これは、ヒンドゥー暦アーシャーダ月最初の金曜日にカルナータカ州、マハーラーシュトラ州やオリッサ州の一部で行われているヒンドゥーの祭事である。
ラクシュミー・プージャーの起源はヴェーダ時代にまで遡るらしい。貧しいが信心深かったチャールマティーという老女がラクシュミー神の夢を見た。ラクシュミー神は、断食をしてプージャーをすれば豊かになれると夢の中で告げた。そこで老女がプージャーを行うと願いが叶い豊かになれたのだという。
この言い伝えに因んで、この日結婚している女性は持っている宝石類、貴金属類やお金で作った首飾りをラクシュミーの偶像に捧げて夫の長生き、平和、幸せと一家の繁栄を願う。このプージャーをすると金銭の問題が解決するという御利益があるらしい。
うちの会社の北カルナータカ出身の女性はこの日、実家に帰るために早めに会社を後にしていた。
オーナム
8月28日はオーナムだった。オーナムはケーララ州の収穫祭だ。また、この日ケーララの魔王であるマハーバリが里帰りするとも言われている。この日、女性は伝統的な白いサーリーを着て床に花でポーカッラムと言われる模様を描く。
27日、うちの会社のマッルー(ケーララ出身の人のことをマッルーと呼ぶ)達は、ボーダーのついた白いサーリーを着てきて、会社の床にポーカッラムで模様を描いていた。そこまでは微笑ましかったのだが、最後に緑のマジックペンで床にハッピー・オーナム!と書いていた。誰が消すんだ?
この日は、うちの会社は特に祝日となっていない。仕事を休めなかったり、学校を休めなかったりしてケーララに帰れない人のために、この期間だけオーナム・マーケットというものがバンガロールに出来るらしい。そこではケーララにしかない米やバナナなどの食材が手に入るのだとか。またバンガロールにいるマッルー達はジャラハッリにあるシュリー・アイヤッパン寺院にお参りをするらしい。今や、ここは第2のサバリマラとみなされているのだとか。
シャベ・バラート
8月28日は、ムスリムの祭日シャベ・バラートだった。
シャベ・バラートはシャバーン月14日目の前夜にあたる。預言者ムハンマド(SA)は、この日ムスリムに昼間は断食をし、夜は徹夜でクルアーンを読むように命じたそうだ。そこでこの日の夜、男性は電飾でライトアップされたモスクに行き、夜遅くにスタートし水曜の朝まで続けられる礼拝に参加するそうだ。女性は、家でズィクル(唱名儀礼)や、礼拝をして過ごすものらしい。この日、バーミセリ(一番細いパスタ)を用いた甘い料理セワイヤーンが作られるそうだ。
シャベ・バラートの日に、天国で次の年の人々の運命が登録されると言われている。そこでムスリム達は断食をしたり貧しい人に施しをしたりお祈りをすることで慈悲を請う。男性によってはお墓参りをする人もいるらしい。
クリシュナ・ジャナマシュタミ
9月4日はヒンドゥーの神様クリシュナの誕生日だった。
バンガロール各地にあるクリシュナ寺院では、クリシュナの像をブランコに乗せたり、ミルクや花などを浴びせかけるアビシェーカなどの数々のセレモニーが行われた。
翌日の新聞によると、ウドゥピの有名なクリシュナ寺院では、山車を引く恒例の行事が行われたそうだ。夜半に金の山車が引かれていく途中、クリシュナ像の上に雨が降り注いだので、天からのアビシェーカに巡礼者は狂喜して踊ったそうだ。
このクリシュナ寺院の歴史に新しい1ページを追加したのが、異色の占い師ラクシュミワラティールタ・スワーミージーだ。彼は、クリシュナ像のユニークな飾りつけ等奇抜アイデアで知られている人らしい。何十万ルピーもかけていきなり境内にアクアリウムを設置させたこともあるのだとか。そんなスワーミージーが、今年は伝統舞踊フリ・クニタの伴奏用に、日本から直輸入したRolandの電子ドラムを叩いたらしい。ローランド株式会社も、自社の電子ドラムがウドゥピのお寺の境内で叩かれていると知ったらさぞビックリすることだろう。
それは良いとして、私の住むアパートではクリシュナ・ジャナマシュタミの日に集会が行われ、バジャンが歌われた。また子供がクリシュナ・ラーダーに扮するというコンテストも行われた。
20070918-krishna.JPG
聖母マリアの生誕祭
8月30日から9月8日までの9日間は、ノヴェナと呼ばれる聖母マリアの生誕を祝うキリスト教徒のお祭り期間だった。シヴァージーナガルにある聖マリア・バシリカ教会は200年の歴史があり、毎年10万人以上の巡礼者が詰め掛ける。そのため8月30日あたりから交通整理が行われ始めた。
お祭り期間中、聖マリア・バシリカ教会では30分おきにミサが行われた。9月2日には初の試みとして集団結婚式を行ったそうだ。9月8日、お祭りはクライマックスを迎えた。聖母マリアの肖像画を乗せた電飾のついた馬車が信者によって引っ張られたのだ。教会からスタートし、ミーナークシー・コイルストリート、シヴァージー・サークルなどを廻ってまた教会に戻ってきたそうだ。
例え馬車に乗った聖母マリアの肖像画を見ることが出来なくとも聖母マリアの存在を感じ、祝福を求めるために、人が続々とやってきた。そのため辺り一帯は人の海となり、一歩も動けなくなったらしい。
次の日、会社のマンガロール出身のクリスチャンの子に
『シヴァージーナガルに行ったの?』
と尋ねた。すると
『私は人混みが嫌いだから近くの教会に行った』
という答えが返ってきた。
ユダヤ教徒の新年
9月13日は、ユダヤ教の新年、ローシュ・ハッシャーナーだったらしい。ムンバイに住むインド系ユダヤ人の人はこの日ムンバイのシナゴーグ(magen hassidin)を訪れたと新聞に書いてあった。
ラマザーン始まる
9月14日、断食月として知られるラマザーン(ラマダーン)が始まった。ムスリムはこの月、太陽が出ている間は食べず飲まずに過ごす。そして決められた時間に水とデーツ、甘いお菓子を摂って断食を解き食事をとる。早朝、太陽が昇る前に食事をしてから礼拝をし、日が昇っている間は再び断食を自分に課す。
断食をしている間はつらいのでムスリムはクルアーンを読んで過ごすと聞く。だが、働いている人はそうはいかない。だからIT業界で働いているムスリムは、断食をしないのかなと思ってら、ハイダラーバードのムスリムのザリーンちゃんが14日から昼食を食べに来なくなった。ローザ(断食)を始めたらしい。最初の数日は慣れなくて辛いのだと言っていた。ちなみに今日は「仕事もないし」と言いながら16時ごろに帰宅していた。
ガネーシャ・チャトルティ
9月15日はヒンドゥーのガネーシャ・チャトルティというお祭りの日だった。ガネーシャ・チャトゥルティと言えば、偶像の高さや飾りつけの派手さを競いあっているムンバイやプネーの祭りが有名だ。そのため会社のムンバイ出身の女の子は9月11日から帰省してしまった。
ガネーシャ・チャトゥルティは、バンガロールではガネーシャ・ハッバとしてやはり盛んに祝われている。
去年に引き続き今年も私の住むアパートにテントがこしらえられ、今や中に高さ2メートルくらいのガネーシャが鎮座している。
また、アパートの前にある湖は、バンガロール市当局認定の「偶像を沈めても良い湖」なため、トラクターに引っ張られた、全長1.5メートルくらいのガネーシャ像がどこからともなくやってきては「○▼△☆※、モーリヤー!」という掛け声と共に湖の底に沈められている。
ちなみにセラミック製のガネーシャ像は市当局が後日、湖を清掃して取り除いているそうだ。お祭りにチャチャを入れて申し訳ないが、偶像の塗料が水質を汚染するとして問題になっているみたいだ。そこで昔ながらの無色の土製の像を買おうという呼びかけが起こっている。昔ながらの像は、かえって神秘的な感じがして私も良いと思う。だが、あまり売られているのを見たことがない。下は参考までにカラフルな方のガネーシャ像の写真だ。
20070918-ganesha.JPG

This entry was posted in ベンガルール. Bookmark the permalink.

2 Responses to お祭りラッシュ

  1. 閑話休題 says:

    まあ、見事としか言いようがありませんね。お祭りが多いのか、宗教の種類が多いのか、まあ、その両方なのでしょうけれど。この分なら、インドの天空では、それこそ八百万の神がひしめきあって、そうですね、仲良く一杯やっているかも知れません。笑 
    それにしても驚いたのが、インドでもキリスト教やユダヤ教のお祭りがあるということ。いや、どこへでも潜り込むことこそ、宗教を宗教たらしめるものなのでしょうね。今回は書いてありませんが、当然のごとく、仏教系のお祭りも盛んなのでしょうか。

  2. kahkashaan says:

    ユダヤ教徒は数はとても少ないのですが、キリスト教徒は、南インドではポピュラーです。ジャコブさん、ジョセフさんなどのお名前ですぐ分かります。たまにソロモンとかプラトンとかソクラテスとかスケールの大きい名前も。
    仏教のお祭りは全く聞きませんね…インドではチベット仏教のプレゼンスなら高いのですが、そうではない仏教徒の人は少なく、かつて1人しかお会いしたことがないです。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>