インドの絵画の人気上昇中

2月25日、チョウディヤー・メモリアルホールで行われたウスタード・ザーキル・フサインとウスタード・スルターン・ハーンコンサートに行った時のこと。巨匠が演奏している左端で畳大のキャンパスに絵を描いている人がいた。
ザーキル・フサインとウスタード・スルターン・ハーンは最初、彼を全く無視して超絶の演奏をしていたのだが、絵が完成するにつれて視線をキャンバスに投げかけていた。
インドの伝統的な装いをした画伯は、うっすらと下書きがされたキャンバスに大きなブラシでダイナミックに彩色をしていた。そして1時間半後に赤ん坊を抱いている母親の絵を完成させていた。
この絵を描いて一体どうするのだろうと思っていたら、演奏後にオークションが始まった。巨匠達が後片付けをしている中、ステージに司会が登ってきて値をつけるように観客席に促してきたのだ。
競売は全く予期していない出来事だったので、皆シーンと静まりかえってしまった。サクラさえもいなかった。盛り下がっている会場を見かねたザーキル・フサインはマイクのところにしゃしゃり出てきて、軽妙な語り口で絵の素晴らしい点をひとつひとつ挙げていった。わざとらしかったが「ザーキル・フサインが太鼓判を押すくらいなら・・・」というわけであろうか、やっと値がつけられた。
ザーキル・フサインは、値がつけられて面白くなってしまったのか、その後もオークションの司会役を勤めていた。
「他の皆様はどうですか?」
「8ラック!(80万)」
という声を聴いたところで、私は開場を後にした。結局、いくらで入札されたのかは分からない。
         ○        ○        ○
前置きが長くなったが、おりしも4月1日のバンガロールタイムズに、インド人による絵画が国際的に高値で売れているという記事が載っていた。
トップセラーには、「Gaja Gamini」(2000年)、「Meenaxi : Tale of 3 Cities」(2004年)を監督したことで有名なM.F.フサインや、S.H.ラザー、F.N.スーザ、ラーム・クマール、ガネーシュ・パイネー、アクバル・パダムスィー、タイヤーブ・メーヘターが名を連ねていた。
最近S.H.ラザーの絵が147万USドルで、タイヤーブ・メーヘターの絵が124万USドルで売れたらしい。
タイムズオブインディアがバンガロール在住の画家にインタビューして集めた情報によると、主に絵を買うのはNRI(海外に住むインド人)と一部の外国人であり、壁に飾るためというより、投資の対象として絵を買っているのだとか。
最近まで西側諸国のアート市場はインドの絵画に門戸を閉ざしていたが、少しずつ風穴が空き、最近インド人の画家による絵はヨーロッパ人やアメリカ人の間で健闘しているとのこと。プロのバイヤーは高値を保証するように変わってきているらしい。
以下はインタビューされたバンガロール在住のアーティストの談。
「アートは良い投資対象だ。暴落することがある株に比べてリスクがない。最近、インドの絵画の人気が出始めている。今後、時間をかけてもっと人気が出ることと思われる。・・・中略・・・今はアートに投資する時代だ。バイヤーは良いアートから得るものこそあれ、失うものは何もない。」
下の写真は前述のコンサートの後に配られたカレンダーの表紙。国際的に売れ始めている絵というのは、こういう絵画のことを言っているらしい。私は個人的にミニアチュールの方がまだ良いと思うのだが、人気が上昇するのかあたたかく見守っていこうと思う。
20060417-callendar.jpg
このカレンダーにはトップセラーの画家の絵のほか、K.H.アーラー、N.S.ベ−ンドレーとかいう画伯の絵も含まれていた。S.H.ラザー、F.N.スーザといい、画家の名前にイニシャル+イニシャル+名前が多いのは皆M.F.フサインにあやかっているのか??と思ってしまった。

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3 Responses to インドの絵画の人気上昇中

  1. Tamon Yahagi says:

    うぉぉぉ、8ラックって…。ぼくもわけのわからぬイニシャルつけてインドのセレブ相手に絵売ろうかしら。肝心なのは、上記のザキールのように煽ってくれる人の存在だなぁ。ウッピーでは、セレブに説得力ないし…。(苦笑)

  2. kahkashaan says:

    ひとつはYにするとして、あと1つのイニシャル何にします?
    プロモーターはA.R.ラフマーンがいいんじゃないですかねぇ

  3. 絵画投資・・・

    お世話になっている、プライベートバンキングのコンサルタント会社に久々の訪問。 自…

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