ヒマーチャルプラデーシュ舞踊公演

6月11日(土)、江戸川区の清新町コミュニティ会館でヒマーチャルプラデーシュ舞踊公演が行われた。ヒマーチャルプラデーシュとは、インド北部にある山がちな州。プログラムによると、今回の舞踊団はSirmour 地方からやってきたらしい。
開演と同時に、プオーン、プスッ、プププーという音が背後から聞こえた。振り向くと、チューバみたいな楽器を抱えた男性が、シェヘナーイーのようなメロディーを吹きながら会場に入って来ていた。チューバに続いて行進していたのは、太鼓や、タンバリンや、カンジーラ(小さなシンバル状の楽器)を叩く人達。ステージに上がって腰を据えるまで、首をかしげたり、ミッキーマウスがとるポーズのように片足のつま先を立てたりして、愛嬌をふりまきながら行進していた。
演目の1つ目は、プージャーの踊りだった。だが、それがプージャーの踊りだったことを忘れさせるほどアクロバティックだった。最初は歌にあわせて男女が手首をくねらせて踊っていたのだが、そのうち女性が水の入ったコップを手に取り、頭の上で逆さに置いた。カシミールの女性のように頭に布を被っているためか、コップのふちが頭に密着して、水は少ししかこぼれていなかった。そこで彼女はさらにコップの上に小さな壷を載せ、そのまた上にコップや壷がいくつも載った盆を載せた。そしてそのままバランスをとりながら踊り続けていた。
その時、隣で踊っていた男性が取り出したのは、茶色のチェックのハンカチ。彼は山を作るようにしてハンカチを床に置いた。女性はそれを見ると、頭上に乗った物のバランスを保ちながら姿勢を低くしていき、舌を伸ばしてハンカチをキャッチし、口でくわえるとおもむろに立ち上がった。当初は、これがプージャーの踊りなのかと驚いたが、今思い返してみればハンカチをくわえようと舌を伸ばした彼女に神々しいものを見た気がしたかも・・・。
冒頭から「何だか凄いぞ」と思い知らされたヒマーチャル舞踊。それだけでは終わらなかった。男性陣が重そうな金属製のお皿を取り出したかと思うと、指先で円を描くようにして皿に勢いをつけ、ひと差し指の上で皿を廻しはじめたのである。さらに2人で互いに廻している皿を放り投げては、それを指先でキャッチしていた。指一本で皿を廻す様子は、ヴィシュヌ神が武器チャクラを廻す様子をイメージしているらしい。
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踊りは基本的に、両手を上に上げて手首をくねらせて踊るタイプのもの。頭の位置が安定しているのに長い手足だけがユラユラと動いている様子は、インドのパペットを彷彿とさせる。
ヒマーラヤ高地に住む人の間でポピュラーな踊り、ナッティというものも披露していた。マイムマイムのような、手をつないで輪を作るタイプの踊りだが、コサックダンスのような振り付けもあり、結構ハードそうだった。ヒマーラヤ高地の人達はディーワーリーやバエサーキーといったお祭りの前に、これを数週間にもわたって踊るものらしい。「さぁ、皆さんもご一緒にどうぞ」と言われ、葛西のインド人の中には果敢にチャレンジしている人がいた。
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ヒマーチャル舞踊団は、もともとインド文化庁が愛地球博のために派遣したものを、江戸川インド人会が西葛西に招待したらしい。会場にはインド文化庁ムハンマド・ハーリク氏が来ていた。東京外国語大学のヒンディー語の客員教授のスレーシュ・リトパルナ先生も来ており、今回も壇上に呼ばれ、帽子をミティラー博物館の長谷川さんからプレゼントされていた。

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4 Responses to ヒマーチャルプラデーシュ舞踊公演

  1. 生捨 says:

    なかなかすごい催しを開いてるんですね、さすが江戸川インド人会。
    >指一本で皿を廻す様子は、シヴァ神が武器チャクラを廻す様子をイメージしているらしい。
    シヴァ派の伝承では、本来ヴィシュヌ神の武器であるチャクラをシヴァ神が借りて敵を倒した、みたいな説話もあったような気もしますが(うろ覚え)、やはりそんな感じの説話が舞踏のモチーフになっているのでしょうか。

  2. kahkashaan says:

    ア!ヴィシュヌです、間違えました。修正してお詫び申し上げます。

  3. おとみ says:

    >今思い返してみればハンカチをくわえようと舌を伸ばした彼女に神々しいものを見た気がしたかも・・・。
    おぉ!私はあれにエロスを感じてボーゼンとしてしまいました(笑

  4. kahkashaan says:

    女性ダンサーがステージに座りこむ時に、スカートの裾から足が覗いてしまうのではないかと、ヒヤヒヤしていた私でもあります。

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