Karim’sのファストフード

デリーの1913年創業のレストラン、Karim’sは誰もが知るムガル料理の老舗。創業者カリームッディーンの父はムガル宮廷の料理人であったとされる。デリー市内にいくつかの店舗を展開しているが、南デリーのモール内のフードコートにも出店しているとは知らなかった。

Karim’s (DLF PLACE, SAKET)

マトンコルマはプラスチックの使い捨て容器に入り、ルーマーリー・ローティーは目の前にある電子レンジでチン。まったくもってファストフードで寂しいとはいえ、味わいはやはりカリームなのでなかなか旨い。でもそこがまたやるせなかったりする。

重厚感と軽さのミスマッチ、こういうところに来る人たちが求めるものはちょっと違うので、流行っているとか込んでいるという具合ではまったくないようであった。やはりKarim’sはちゃんとした店舗で食べるに限るのである。

モールのフードコートのKarim'sはショボいが、それでも旨いのは、さすがという気はする。

The Nilgiri Mountain Railway

1908年に開通したニルギリ山岳鉄道。英国時代に建設され、2005年にはユネスコの世界遺産に指定された鉄道のBBCによるドキュメンタリー作品がYouTubeで公開されている。

The Nilgiri Mountain Railway (YouTube)

植民地時代にヒルステーションとして開発されたウーティーへの往来、そこに至る途中にある茶園から茶葉を輸送するなどの目的で開通したこの鉄道にて、1世紀に渡り世代を継いで奉職してきた人たちがいるのは、まさにこうしたヘリテージな鉄道らしいところだろう。今も英国の香りがほのかに残るヒルステーションのウーティーと同様に、それを感じさせてくれるのがこのトイトレインによるウーティーへの往復だ。

高地にあり、冷涼な気候に恵まれた山岳地であるがゆえに、ひとたび天気が崩れると豪雨となることも少なくない。海洋地域から押し寄せる雨雲をブロックすることになるので、多雨となる宿命がある。崩れやすい斜面を走る鉄道だけに、列車が不通となることもしばしばあるのはいたしかたない。そうした運休時には、鉄道駅は眠ったように静かになるいっぽう、大忙しとなるのが保線関係技師や労働者たちだ。

車両整備の現場には、この路線初の女性整備士が男性ばかりの職場で額に汗して働いている。娘がわずか生後1週間のときに異動の辞令が出たため、夫とその実家に赤ん坊の世話を頼んでここに赴任してきたという。インドの鉄道職員に産休や育休などの制度があるのかどうか知らないが、業務面ばかりではなく、生活の面でも様々な苦労を抱えている人たちは少なくないことだろう。

趣のある機関車をはじめとする車両や駅だけではなく、そこで働く人々にもスポットを当てた、鉄道に対する愛情に溢れた素敵なドキュメンタリー作品である。ぜひご鑑賞をお勧めしたい。

観光公社も分離 アーンドラ・プラデーシュ州とテーランガーナー州

2014年6月にアーンドラ・プラデーシュ州からテーランガーナー州が分離したが、向こう10年以内はハイデラーバードが両州の首都として機能することになっている。

その期間以降は、前者、つまりアーンドラ・プラデーシュは自前の州都を築くことが課されており、州が分離したことに続いて大きな負担を抱え込むこととなった。

今年4月2日に、アーンドラ・プラデーシュ州首相のN.チャンドラバーブー・ナイドゥ氏がアマラワティ新州都とすることを宣言しており、都市機能の建設が急ピッチで進んでいくことになる。

当然のことながら、州分離により、これまでアーンドラ・プラデーシュ州が運営してきたアーンドラ・プラデーシュ観光公社もふたつに分かれることとなり、テーランガーナー地域においてはテーランガーナー州観光公社がその役割を担うこととなった。

出自が同じであるため、ふたつの州観光公社のウェブサイトにアクセスしてみると、造りが実によく似通っていることがわかるだろう。
どちらも24時間体制のチャット機能も用意されており、質問するとすぐに何かしらの返事が返ってくる。もっとも、あまり詳しいことを尋ねても、さほど有益な回答が返ってくることはないようだが、たとえ観光公社の「オフィスアワー時間外」であっても、少なくともコンタクトする先、メールアドレスなり電話番号なりといったベーシックな情報は教えてくれる。このあたりは、民間会社に委託しているのだろうが、それでもITを上手に利用したスマートなサービスだと思う。

しかしながら、テーランガーナー観光公社のウェブサイトに用意されている送信フォームから幾度か質問のメッセージを送ってみても、返信がなされることはなかった。器は立派になっても、やはり政府観光局というのはこんなものかな、と思ったりもするが、今のようにネットその他に様々な情報が氾濫する時代にあっては、すでに政府による個々の旅客に対する情報提供という業務の存在意義は限りなく薄れているとも言えるだろう。

M7.9の強い地震発生 ネパール

本日4月25日、ネパールで現地時間午前11時41分にM7.9の強い地震が発生。震源地は首都カトマンズ北西81kmの地点であるとされる。すでに多数のメディアで報じられており、首都カトマンズでの建物の損壊等の様子が一部伝えられている。現在も余震が続いている模様。被害の全容が明らかになるにはまだ時間がかかるものと思われるが、今回の地震か甚大な被害を発生させていることが懸念される。
また、すでにシーズンが始まっているエベレスト近辺でも地震によるものと思われる大規模な雪崩が発生しているという情報もあり、登山方面での被害も同様に心配されるところだ。現在、日本のアルピニスト野口健氏が、いわゆる「エベレスト街道」を移動中の様子がFacebookに綴られているが、この時期にネパールのヒマラヤ地域に滞在している登山関係者は多数あることだろう。
今後の報道等に注目していきたい。

RECENT EARTHQUAKES IN NEPAL (Facebook)

Nepal Battered by 7.9 Earthquake, Tremors Across Northern India (NDTV)

Live Updates: Massive Earthquake in Nepal Causes Tremors Across India (NDTV)

Strong earthquake rocks Nepal, damages Kathmandu (BBC NEWS)

ナガランド州 女性初の女性オートリクシャー運転手

先日のパーキスターンのラーホールでの女性による女性のためのオートリクシャーに続き、こちらはインドのナガランド州最大の街、ディマープルにおけるトピック。

First Woman Auto Driver in Nagaland (Northeast Today)

社会の様々な分野でよく働くナガ族女性だが、オートリクシャーの運転手となる事例は初であるとのことだ。ラーホールでのそれと異なり、女性客専用というわけではなく、性別に関係なく利用される普通のオートリクシャーだ。

ナガランド州最大の街が州都コヒマではなく、ディマープルであるのは、山岳地、丘陵地から成る同州で、集落や町は往々にして山や丘の頂上部分を中心に広がる形であるのに対して、ディマープルはこの州でアッサム州境と接するごくわずかな平地部分に位置しており、鉄道や幹線道路が乗り入れる交通の要衝であり、ナガランド州経済の中心地であるからだ。

そんな環境であること、平地からやってきた「インド人たち」が多いことから、州都コヒマから70km強の距離でしかないにもかかわらず、ここまで降りてくると「インドにやってきた」という印象を受けるほどだ。

ディマープル市内のオートリクシャーを運転しているのは、大抵は平地のインドから来た人たちということもあり、ナガ族女性運転手によるサービスは、市内を往来する同性のお客からは「機会があれば利用してみたい」と好評を持って迎えられることだろう。ただし、目下、女性運転手はこのToliho Chishiさんのみであるため、なかなか巡り会う機会はないのだが。