パンカジ・ウダース氏逝去

これはもう言葉にならない。あまりに残念。本日2月26日にパンカジ・ウダース氏が亡くなったとのこと。ガザル界の大御所、ヒンディー語映画の歌のリリースも多かった。青春時代の大事な思い出の曲もある。ご冥福をお祈りします。

合掌

Legendary ghazal singer Pankaj Udhas passes away (Deccan Herald)

ラッパーの死

5月29日に、パンジャービーのラッパー(パンジャーブ州議会議員でもある)のスィッドゥー・ムーセーワーラーがクルマで移動中に十数発の銃弾を撃ち込まれて殺害されるという凄惨な事件があった。関与が疑われているのは、パンジャーブ出身のギャング、ローレンス・ビシノーイーだが、現在デリーのティハール刑務所に収監中なのになぜか?と言えば、塀の中からスィッドゥーを脅迫していたローレンスは、彼の殺害を決めて、在カナダのパンジャービーギャング組織と連絡を取り、カナダからパンジャーブ現地の手下だか協力関係にある者たちがスパーリー(ヒットマン)として送り込まれたらしい。今どきのインドらしい国際間の連携とも言える。

こうしたリスクを抱えている有名人たちには、先の州議会選挙で国民会議派が負けて庶民党政権となるまでは、手厚い警護が付いていたのだが、政権交代後は「セレブを特別扱いしない」という庶民党の方針から警護体制の簡略化が実施されており、まさにそれを突いての犯行であったとされる。

それまでスィッドゥーは防弾処理を施された車両で複数のガードマンたちと往来していたとのことだが、この日は自家用車で、後続車両におそらくライフルを手にした護衛が付くのみであったといい、高性能銃器を手にしたプロの殺し屋による奇襲には対応できなかったようだ。

サルマーン・カーン自身も、ローレンスからずいぶん前から脅迫されてきたひとりで、身の安全が危惧されているため、この事件後は警護が大幅に強化されることになったと聞く。

インドの音楽関係者にしても映画人にしてもこの手の脅迫にかかる事案は昔から多く、かつてはグルシャン・クマールのような超大物さえも殺害されたことを記憶している人は多いだろう。

Salman Khan’s security beefed-up outside his Mumbai apartment after Sidhu Moose Wala’s murder. Here’s why (THE ECONOMIC TIMES)

 

ラターの歌声は永遠に

先日亡くなったラター・マンゲーシュカル最後のリリース作品(2019年)となったリリースのSaugandh Mujhe Is Mitti ki。このとき90歳。さすがに全盛期の伸びやかな歌声ではないが立派なもの。この人のすごいところは、10代から70代に入るあたりまで、ずっと全盛期だったところだ。ゆえに生涯3万曲を超える歌を世に放った「インドの音源」。今でもインドの街なかでで彼女の歌声が流れない日はない。

それにしてもこの「Saugandh Mujhe Is Mitti ki」という歌の内容といい、曲が始まる前の語りの内容といい、自身による最後の作品となることを予見していたかのような愛国的なもので、いかにも彼女らしいと思う。

Saugandh Mujhe Is Mitti Ki (Youtube)

UP州議会選挙報道

聞け、皆の衆よ

いまこそ権力への道が開く

政治の闘争の火蓋が切って落とされた

そこはウッタルプラデーシュ州

・・・という歌で、ニュース番組「Aajtak」のウッタルプラデーシュ(UP)州の選挙関連ニュースが始まる。

地方選挙とはいえ、人口2億人近い、インド最大の州。いわゆる「ヒンディーベルト」の中心にあり、「UPを制する者はインドを制する」というわけではないが、ここを自党あるいは協力関係にある友党が抑えるか、それとも敵対関係にある勢力に取られるかで、中央政権にとって、国政運営の安定感がずいぶん違ってくる。

また多極社会のインドにおいて、文化の中心地、核といったものがあちこちに存在しているとはいえ、やはりUPはそうした数多い中心地の中でも特に大きなもののひとつでもある。

州選挙報道のテーマソングまで作って、選挙自体を日々様々な方面から報道し、スタジオに政党関係者や識者などを集めて討論するほどヒートアップするのが、こうした重要な州の選挙。

前回選挙で初めてUP州政権党となったBJPが再選されるのか、それともヤータヴとムスリム、その他OBCs(後進諸階級)を票田とする社会党(Smajwadi Party=SP)が返り咲くのか。今回はダリットの女王マーヤーワティー率いる大衆社会党(BSP)の存在感は薄い。

2月10日から3月7日に渡って、7つのフェイズで投票が実施される。州の有権者たちが下す決断が明らかになるのは最後のフェイズが終了してから。人口2億人の巨大州の行方やいかに?

SAREGAMA CARVAAN MINI BHAKTI

SAREGAMAのCARVAANシリーズの中のバジャン版だ

300のバジャン(ヒンドゥーの神への賛歌)が収録されており、この機器自体でも音質は良好し、ボリュームもかなり出るのだが、Bluetoothスピーカーへの接続も可能。この点は、すべてのCARVAANシリーズに共通している。

これもまた選曲は、さすがSAREGAMAによるものなので、実に素晴らしい。
なお、このCARVAAN MINIのシリーズには、スタンダードなCARVAAN同様にヒンディー語映画ソング懐メロが収録された「Hindi Legends」とともに、スィク教の神への賛歌「Gurbani」も用意されている。

いずれも大変魅力的だが、個人的には、いつかカッワーリー版も発売される日が来ると大変嬉しい。