ポプラと水路の風景

ちょっと奮発してチキンのシズラー

レーの市街地をしばらく散歩してから、ポプラの木立の中に席を並べているレストランで昼食。背の高い木のさらに限りなく上に広がる高い空。ラダックらしい風景だ。

こんな空を見上げるだけでいい気分になってくる。

ポプラといえば、レーから郊外に出ると水路と並んで走る道の両側がポプラ並木になっているところが多い。村の中でも道、水路、ポプラ並木がセットになった景色をよく見かける。

サワサワと流れていく水に心洗われるような気分

仏教寺院の存在や家屋のたたずまいを除けば、中央アジアにも通じる雰囲気がある。古の時代には中央アジアとインドを結ぶ交易路にあったラダックだが、今もそうした地域と陸続きであることを思い起こさせてくれる。

どこの国にいるのか判らなくなるような景色

ラダック・マラソン2013

今年9月8日(日)に、Rimo Expeditionsがオーガナイズするラダック・マラソンが開催される。

コースについては4種類用意されている。

1. 10km Run

2. 21km Half Marathon

3. 42km Marathon

4. Khardung La Challenge

言うまでもなく、海抜3,500mを超える地域であるためフルマラソンはおろか、ハーフマラソンあるいは10kmのコースであったとしても、しっかり高度順応してからでないと非常にキツイことと思う。しかしながらレーを出発して急な山道を駆け上り、「world’s highest motorable pass」とされるKhardung La(5602m)を折り返し地点とするKhardung La Challengeを完走することができたならば、一生の思い出になるに違いない。

今年の大会へのエントリーは8月15日まで延長されているとのことなので、今から(8月10日現在)でも申し込みは間に合う。料金や申込方法についてはこちらをご参照願いたい。

場所柄、インドの他地域からの参加者はもちろん、外国人の出場者も相当数あるものと思われるものの、昨年の入賞者の名前を見る限りでは、すべてのカテゴリーにおいて地元ラダックの人々が独占したようだ。

同マラソンのウェブサイトのPhoto Galleryにて、昨年の大会の写真を閲覧することができる。

私自身はその時期に時間を取ることができないので参加することは叶わないが、うまくタイミングさえ合えば、ぜひともKhardung La Challengeというコースに挑戦してみたいものだと考えている。たとえ完走できずに中途でリタイヤすることになったとしても、ラダックにてこういう機会を他の参加者たちとシェアすることができれば大いに幸せなことだろう。

レーの町を散策

旧市街の旧王宮のふもとあたりはムスリム地区になっていて、彼らがタンドゥールで焼くパン屋が軒を連ねている。ナーンの類のパンや菓子類を買い求める人々で賑わう。そうした店の中には「サモーサー」を売る店もあり、三角ではなく細長いもので、中にはマトンが入っており、ジューシーで旨かった。同じような店が並んでいるが、店ごとに混雑の具合が違う。やはり人気店とそうでない店とがあるようだ。
パンを買い求める客
ラダック人たちの中で、ムスリムは少数派ではあるもの、レーをはじめとする市街地では存在感がある。その中で9割ほどはシーア派のムスリムたちである。本日の宿泊先は町の中心から外れた静かなロケーションにあるラダック人ムスリムの家族が経営する宿。娘さんと息子さんは州外の大学で学んでいるが、帰省中であった。
レーで宿泊した宿
書籍漁りも楽しい
宿には住み込みで働く二人のジャールカンド州からきた出稼ぎ人たちがいる。近くの他の宿やレストランといった観光客相手の場所でも働いているのはたいてい外から来た人たちだ。北インド各地やネパールなどから大勢の人々が仕事を求めてやってきている。
そうした中では、夏のシーズンだけラダックに来て稼いで、あとは故郷に帰ってなにがしかの仕事を得て暮らしているという人たちもあれば、夏はラダックで冬はゴア、その中間の切り替えの時期に少しだけ帰省することもある、といった具合の渡り鳥のような者も少なくない。
マニ車の間から旧王宮を望む
インドの他の地域からの出稼ぎといえば、観光客相手の仕事に限らない。道路や橋梁の建設現場で働く人々の大半はやはり外から来ている人たちだし、農家の畑で収穫作業に精を出している人たちの中にもまた出稼ぎ人たちの姿は多い。
ラダックは、インドの中で決して経済的に豊かな地域ではないが、人口が希薄であるため夏の繁忙期には人手が足りなくなり、外部からの労働力を必要としている。だがそれがゆえに本来の居住者たちだけではまかない切れないほどの仕事量をこなすことができ、地域の振興に貢献していると言えるだろう。
「12月とか1月とかに来てみなよ。このあたりを歩いても、ラダック人以外ほとんど目にしないんだよ。ヨソの人たちはシーズンが終わると帰ってしまうから。」
レーの中心部で商売を営む初老男性が言う。インド各地、そして世界各地からの旅行者はともかく、様々な業種で仕事に就いている地域外の人々が多い夏の時期のレーの町はまさにコスモポリタンといった具合だが、それは季節性のものであるということは、オフシーズンに訪れてみないとピンとこないことだろう。
カルズー池
カルズー池のところに出た。何という名前の植物か知らないが、池の中で無数の小さくて赤い花が咲いており、強い日差しの中で力強く輝いていた。

ラダックで「海外用WIFIルーター」を使ってみた

以前、海外用WIFIルーターで取り上げてみたが、実際に使ってみた感想を述べることにする。

このルーターを利用することにしたのは、仕事等の関係で、ときどき重要な連絡が入る可能性があるため、可能な限り毎日朝と夕方にはメールをきちんとチェックしておきたいと思うこと、またそうした連絡に即座に対応できるよう、常時接続のネット環境が欲しかったためである。

通常、インドでSIMを購入すると、全国どこにいっても通話やインターネット等のネットワークサービスを利用できるので、こうした点では基本的に問題ない。少なくとも平地部とりわけ都市部では非常に安定して速度と接続性が確保されている。もちろん山間部等では電波の入りがかなり悪い場合もあるのだが。

だが問題は、ラダックのあるJ&K州では、州外で購入したプリペイドのSIMを使用できない(J&K州で購入したプリペイドSIMは、州外で使用できない)措置がなされており、またJ&K州内で外国人が現地のプリペイドSIMを購入するのも制度上かなり困難を伴う。

そのため何かいい方法はないかと思っていたら、レンタルの海外用WIFIルーターの広告が目に付いたので利用してみることにした次第である。1日当たりのレンタル料金が700円(キャンペーン利用で630円)と、インドでSIMを購入するよりもずいぶん高くついてしまうが、仕事の関係もありやむを得ないのでこれを利用してみることにした。現地で利用することになるネットワークはAirtel社の回線であるとのこと。

「レンタルのルーターの場合はポストペイドの扱いとなるため利用できる」というレンタル元の会社の回答を真に受けていた私だが、実際にデリーから飛行機でレーに到着してみると、州外発行のプリペイドSIMのJ&K州内のローミング規制という問題以外に、ラダックにおける通信環境上の問題があることにも気が付いた。

同地域ではまだ3Gによるサービスは開始されておらず、2G環境にあるとはいえ、これがまた実に貧弱な回線であることから、深夜と早朝にごくわずかに通信可能となることを除き、日中はまず使えることがない。機器のディスプレイ上の表示ではアンテナが立っていても、メールさえ開くことができない。その割にはフェイスブックの新着情報だけはときおり入ってくるのは不思議だったのだが。

規制がかかって通信できないのではなく、回線の容量があまりに貧弱であるがゆえに、ごく細々としか繋がらないという状況のようだ。ゆえに午前1時から午前5時くらいまでの時間帯だと、多少は接続できる可能性があったりする。インドで購入したAirtel社のポストペイド契約をしているSIMを持っていても同じ状況であることだろう。

そんなわけで、結局はWIFIのあるカフェ等で接続してメールをチェックするというのが賢明な方法であることが判った。しばしば回線がダウンしていたり、停電も多かったりするのですぐに接続できるとは限らないのだが。停電といえば、昨年のこの時期に訪れた際にはレーの町でも給電は午後7時から午後11時までであったが、現在では基本的に24時間体制となっているのには少々驚いた。

レーの周辺部を出ると、Airtelの電波は入らないこともあり、レンタルしたルーターはほとんど役に立たない。やはりこの地域ではまだ携帯電話もネットもBSNLの天下ということになるようだ。規制が多いことに加えて、マーケットも小さいため、民間の通信会社はこの地域への進出や事業拡大については消極的であるという話も耳にする。

もちろん飛行機でレーへの出発前のデリーでは、日本と同じ通信環境を確保できたが、これについてはわざわざ高いレンタル料金を支払って、日本出発時にレンタルするまでもなく、インドでプリペイドSIMを購入すれば、同じ環境が得られるためメリットはない。

この海外用WIFIルーターのラダックでの使用は、結論を言うとまったくダメであった。現在の通信環境が変わらない限り、ネット接続はレー市内やインダス河沿いの周辺地域ではWIFIのあるレストランあるいはネットカフェでの使用、それ以外のエリアでは諦めるというのが今のところ取り得る手段なのではないかと思う。

バングラデシュの島 in 瀬戸内

瀬戸内国際芸術祭の夏会期が始まり「ベンガル島」島開きとなったのは7月下旬のこと・・・というのは、実は友人がFBにアップした画像をきっかけに知ることとなったのだが、瀬戸内のある島が、現在とても賑やかになっているらしい。

高松市の高松港では、バングラデシュから民俗芸能のアーティスト、様々な職人たち合わせて100名近くが集まり、古典音楽、舞踊、機織り、陶芸にリクシャーアートのペインティング等々を披露しているとのことで、大変興味深いものとなっていることが伝えられている。

瀬戸内国際芸術祭、夏会期始まる「ベンガル島」島開き (asahi.com)

瀬戸内芸術祭2013】ベンガル島 (Youtube)

芸術祭で触れることができるアートはもちろんのこと、こうした形で参加しているバングラデシュの人たちについてもちょっと興味を引かれるところだ。会期は91日まで。