東洋経済ONLENEのインド特集

日本の経済誌にインド関係の記事が頻繁に掲載されるようになって久しいが、東洋経済のウェブ版にこのような特集記事が組まれている。

帝羽ニルマラ純子のモディ政権で始まるインドの夜明け (東洋経済ONLINE)

インドのニュース雑誌を読んでいる人にとっては特に目新しいものではないのだが、普段インドという国との接点があまりない人たちに、こうした現況に解説を加えて伝えることに意味がある。

また、こうした記事の中にはインド以外の国々でもヒントになる知恵が散見されるものでもある。例えば、インドでよく見かけるデュアルSIMを搭載可能なスマートフォンを含めた携帯電話もそのひとつだろう。

インド発スマホベンチャーが爆発的な成長 (東洋経済ONLINE)

いわゆるガラケー時代からインド市場でこのような製品はあったが、スマートフォン端末でデュアルSIMを採用したのはマイクロマックスが初めてであったとのこと。

1台の携帯電話に2枚のSIMを挿入して2回線で運用可能とするものであり、日本ではこうしたモデルは耳にしたことがないが、仕事用とプライベート用とで2台持ちしている人たちの潜在的な需要は非常に大きなものがあるはずだ。

単に伸びしろの大きな途上国市場という捉えかただけではなく、世界第2位の人口を抱える大国であるだけに、そこで蓄積された機智やノウハウには、大いに学ぶべきものがあるだろう。

インドが舞台の日本のマンガ

デリーの日本人相手のキャバクラを舞台にしたマンガが刊行されている。

インドでキャバクラ始めました((笑)

というマンガで、これがなかなか面白い。キャバクラで働いていた女性が元お客だった男性の提案で、インドのデリーにてキャバクラを開業してからの日々を綴った作品。お店を開業するまでの経緯やデリーに渡ってからの日々の営業、現地での関係者や出入りするお客たち、雇った女性たちとの間の事柄が作品に活写されている。

マンガの中に出てくるお客で仕事帰りの日本人駐在員たちは、いかにもありそうな姿なのかもしれない。もちろんそういう人たちばかりではないにしても、せっかく娯楽の宝庫インドに駐在していながら、またデリーという様々な人たちとの親交を深めることができるコスモポリタンに暮らしていながら、「他に娯楽がない、余暇にすることがない」(彼らにとっての)というのは気の毒な気がする。

・・・というのが第1巻を読んでみたときの印象であったのだが、書籍以外にウェブでも公開されている作品に目を通してみると、他にもいろんな逸話が綴られているようだ。私が電子書籍で購入してみたのは今年9月に出た第1巻だが、2巻目も11月21日に刊行されるそうなので、多くはそちらに収録されることになるのだろう。

作品に描かれている機智とバイタリティーに富んだ主人公のマリーさんは、おそらく作者そのままの人柄が投影されていることと思う。今後も続編の発表をぜひ期待したい。

National Geographic 11月号

Facebookである方が書き込まれたことから知ったのだが、National Geographic11月号の特集はSorrow on the Mountainと題して、今年4月にエベレストで発生した大規模な雪崩による「エベレスト史上最悪の日」とされる歴史的な事故が取り上げられている。

地元ネパールで登山に関わる人たちの仕事と暮らし、事故の顛末と遭難した人々やその周囲の動き、山をめぐる経済効果や労働問題、事故の後に持ち上がった政治的な動き等々が各種メディアを通じて報じられてきたが、それらを俯瞰する形で読んでみると、この事故が起きる前から、その背後にあった社会問題が浮き彫りにされているように思う。もちろん、それらは現地で登山関係の仕事に従事している人々にとっては、周知の事実に過ぎないのかものであったとしても。

そこに登山の仕事がある限り、そこでの稼ぎを求めて行かなくてはならない男たちがいる。名峰を征服する登山隊の華々しい活躍は彼らの支えがあってこそのものであり、登山活動がそこにある限り、こうした男たちやその周辺の産業で働く人々にも恩恵が及ぶことになる。また、登山料等の収入は、国家に対しても貴重な財源となり、300万ドルもの収入を与えることになるなど、経済的な効果は計り知れない。

それほど重要な産業なのだが、これを支える最前線の現場、つまり登山の仕事でほとんどの補償もない状態で、命の危険を冒して働く人々に依存している現状。だが、その仕事による収入を必要としている男たちや彼らが養う家族があり、登山者たちもそうした彼らを必要としているというジレンマ。労働条件の改善は必要であるとはいえ、そこにマオイストたちがツケ入る隙間も大きなものであるわけで、これが政治絡みの騒動へと繋がる。とりわけこの国の「基幹産業」のひとつともなれば、なおさらのことだ。

上記に示したリンク先でも記事内容のあらましは判るとはいえ、ぜひ印刷された今月号を手に取っていただければ幸いだ。記事内にいくつも散りばめられて、文章同様に、あるいはそれ以上に多くを語りかけてくる写真とその解説を読みながら、この問題についていろいろ考えさせられるものがある。

U-mobile

今回は直接インドやインド世界と関係のない話題で恐縮である。先日購入したGalaxy S4 Zoomを使用するために、いわゆる格安SIMと呼ばれるものをいくつか検討していたが、その結果U-mobileと契約してみた。通話とデータ通信を合わせたプランは以下のようになっている。

U-mobile 通話プラス

通話回線はDocomoのネットワークを利用することになるので、カバーするエリア等について心配は要らないだろう。

現在までのところ、日本の既存大手の携帯電話会社では、回線契約と携帯電話端末の販売がセットになっていて、通話・データ通信ともに高い料金であるところに、電話機の販売代金を月々割り引くという形で、あたかも料金が割安になったり、電話機が無料や破格の安値で手にできたりするかのような見せかたをしている。

通常、契約は2年単位であるため、契約+電話機購入で付いてくる月々の割引料金の期間、つまり契約期間が終了すると、その割引がなくなってしまうので、毎月の支払いが急に高くなる。それを避けるためには、新たに携帯電話機を買い直すことになる。

契約更新月が経過して、古い携帯電話機をそのまま使っていても、電話機を新たに買い直して再契約しても、携帯電話会社から届く請求書の金額が同じような具合であれば、普通は後者を選択することになるだろう。まったくもって、売る側の都合だけで操られているのがこれまでの日本の携帯電話市場の世界だ。

また、そうした携帯電話会社によそで購入したSIMロックのかかっていない携帯電話端末を持ち込んで使用するとなると、その会社で携帯電話機を購入する場合と違い、月々の割引を得ることができないため、毎月の請求金額がこれまたずいぶん高いものになってしまう。

要は、回線契約の際に当然のこととして、携帯電話機を購入させられてしまい、2年毎に買い直しさせられ、しかもその電話機はSIMロックがかかっているため他社では使用できないという不条理さがまかり通っているのはいかがなものかと思う。SIMロック解除に応じる携帯電話会社もあるが、解除手数料が3,000円(税別)というのは実に高い。(行政側の指導により、来年5月あたりには、各社が無料でSIMロック解除に応じるようにという動きはあるようだが・・・)

そんなわけで、携帯電話機の抱き合わせ販売なしで、通話+データ通信のみで契約できるところを探してみると、いくつかあるのだがデータ通信速度、MNP利用で即日開通という条件で考えると、今のところ敷居が低いのはU-mobileということになった次第である。

この「MNP利用で即日開通」という部分だが、同社のウェブサイトで紹介されている一般的な加入方法においては、実際に使用できるまで数日間のブランクが生じてしまいそうなのだが、幸いにして同社の直営店舗で手続きすると、1~2時間程度で使えるようになることが判った。

U-mobileのリアル店舗が南青山にオープン (INTERNET Watch)

日本国外、インドその他で、機能的にとても魅力的であったり、破格の安値で目を引くような携帯電話機などを購入して、それを日本で使うとなるとあまり容易ではなかったりする時代もあったが、それはすでに過去のこととなった。購入したAndroid端末に日本語環境が入っていなくても、それをインストールするのは簡単だし、SIM側のハードルであった通信速度(がやけに遅かったり)や厳しい通信容量制限(これを越えると超ナローバンドになってしまう)という部分が解消されつつあるためだ。

インド等で販売されているような、デュアルSIMの携帯電話を利用したいという需要もあるのではないかと思う。これまでケータイを2台持ちしている人が、1台にまとめることができるわけで、そんな需要についても、SIMフリー携帯+端末と抱き合わせ販売ではないSIMという状況が一般化すると、ユーザー各々が自分の事情に合わせた携帯電話端末購入と回線契約が出来て良いと思う。

Galaxy S4 Zoom購入

全面はまさにデジカメ
背面はいかにもスマホ

Galaxy K Zoomを選ぶか、同じくGalaxyのS4 Zoomにするのか、多少迷ったものの、結局後者を購入した。 理由は先行して発売されたS4 Zoomのほうが低価格であるからだ。今年発売されたK Zoomは、昨年発売されたS4Zoomよりも進化していることはもちろんだが、秒進分歩のIT関係製品はコストか最新性か、割り切る必要がある。

多少、画質の向上が見られるとしても、そこはやはり1年間分の差ということになるし、そもそもこれを持って専用のコンパクトデジカメに替わるかと言えば、私が普段愛用しているハイエンド機に取って代わるようなものであるとまでは期待していない。 ただし、この光学レンズ付きスマホに期待するのは、24mmからの広角側の取り回しの良さ、そしてそこから240mmまでという広い画角という、唯一無二な点である。 日常のメモ代わりに利用したい。

しばらくの間、携帯電話としての機能も兼ねる7インチのタブレットを使用してきたのだが、衣類のポケットに入らないサイズは「ケータイ」としては×であることに今さらながら気が付き、「普通のサイズのスマホ」に切り替えることにした私である。大きな画面の魅力はタブレット端末の利用により、これまで充分体感してきて理解しているつもりだが、携帯性の良さを考えると、Galaxy Noteシリーズのような大判のスマホは、私にとっては中途半端なサイズだ。

従前からよくありがちな汎用サイズ画面のスマホで、光学ズーム付きのカメラに重点を置いたモデルというのは興味深い。K Zoomと較べて、S4Zoomは価格が低いという点以外にも、より「カメラ的な形状」であるため、ホールド感が良いということも選択の理由のひとつとなった。まっとうなサイズのスマホであり、またカメラとしても使うことが可能。本来はスマホながらも、このindo.toで時折取り上げている「インドでどうだろう、この1台?」のカメラとして挙げてみたい。

本日までのところ、まだこの機器で使用するSIMを手に入れていないので、wifiでネット接続しているだけなのだが、今どきのキビキビ動くスマホという感じで好印象。シャッターボタンを長押しするとズームが前にせり出してくる。あるいはレンズのズームリングを回すと撮影モードを選択する画面が出てきて、ここでいずれかのモードにタッチすると同様にレンズが前に出てくる仕掛けになっている。カメラを起動するのにストレスはないし、荷物等の中で誤作動することのないようになっているのも安心だ。

近ごろは、日本国内でも、これまでの携帯電話大手キャリア以外の通信会社による「格安SIM」が浸透しつつある。携帯電話機器と通信契約を抱き合わせで押し付けられずに済むのがいい。利用する通信会社により、購入する機器のバリエーションに大きな制限がかかったり、購入したい機器を優先するならば、今度は契約するキャリアが固定されてしまうというのは不条理以外の何物でもないだろう。だがその反面、日本で機器を販売しているメーカーの製品であっても、日本で未発売のモデルの場合、故障や不具合の際にサービスを受けることができない可能性が高いというデメリットはあるが。

それはともかく、元々かなり割高に設定されている通信料金から、購入する機器代金分を「月々割」で差し引いて、機器自体がタダになる、あるいは非常に格安で手に入るかのように喧伝するのもまた、詐欺じみていて好ましいことではないだろう。 また、こういう「格安SIM」を利用するためのスマホは、当然のことながらSIMフリーでということになるので、日本国外での利用の際にもSIMを差し替えるだけで、同じ使用感と端末環境で利用できることになるのがありがたい。

ただし、日本国内において、その格安SIMというものの使い勝手等はどうなのかはよく知らない。これからしばらくしたら契約してみるので、その後の使用感を別の機会にお伝えすることにしたい。