The Open Library

ゴア州都パナジーの中心地にある広場。カトリックの聖堂、ポルトガル時代から引き継がれて使用されている官庁の建物などがあるエリアで、文字通り「街のヘソ」だが、ここの大きな公園には、「オープン・ライブラリー」と名付けられた書棚があった。

置かれているのは主に雑誌、そして軽い読み物くらいのものだが、付近の人々(主に年配層)が、ここから持ち出して園内のベンチで読んでいたりする。
他の街でこういうものを設置していたら、アッという間に蔵書がどこかに消えてしまいそうだが、やはりパナジーは文化的というか、ゆったりとした落ち着きが感じられる街である。

The Open Library

Goa Português

街の中心に大聖堂があり、その傍らにきれいな公園と官庁などが入る植民地時代の建物があって・・・という光景は、ラテンアメリカでもよく見たことがある。

バックパッカーをしていた1989年だったか、初めてゴアに来たときに、同宿だったアメリカ在住のブラジル人が、『なんかこのあたりの横丁曲がったら、僕の父ちゃんと母ちゃんが住んでいる実家に帰れそうな気がするんだよね〜』と言っていたことを、ふと思い出した。この人とは、その旅行中にイランで再会して、一緒に観光したり、食事に出かけたりもしたので、記憶に残っている。

当時のインドは、まだ停滞していた時代だったので、パナジーにもポルトガル時代の建物が沢山残っていた。
『へぇ〜、ブラジルってこういう感じなのかい?』とか話したりしたが、さすがに2017年のゴアではそういう眺めは少なくなり、歴史的な建造物を除けば、行政主導の景観保護地域に指定されているエリアでないと、往時を偲ぶことは容易ではなくなっている。

コールハープル散策 2 クシティー道場見学

Shah New Motibagh Talim

旧王宮エリアにあるシャーハ・ニュー・モーティーバーグ・ターリームという、インド式レスリング(クシティー)の道場を見学した。

ここには、普段見かけることのない、すさまじく筋骨たくましい男たちが出入りしている。午後3時ごろに来てみると、何か練習をしている雰囲気はなかったので尋ねてみると、午後4時からとのこと。場内は撮影出来なかったが、小学生くらいの子供たちから、ゴリラみたいな巨漢たちまで、総勢100人が稽古している。

午後の練習は午後4時からで、最初に登場するのはゴリラたち、いやレスラーというか、力士といったほうがピッタリくる。全盛期のシュワルツェネッガーもかくや、というような凄いゴリラたち、いや失礼、フンドシ姿の力士たちの取り組みは実に迫力満点。

取り組みの途中で相手に土をかけてやったり、周りで控えている者がかけたりする。これは滑り止めの意味があるようだ。それにしても汗と土で文字通り泥んこになっての激しい稽古だ。しかも取り組みが延々と長く続く。

屋根の付いたマスの外には、トレーニングのため登るための綱、何に使われていたのかわからない巨大なタイヤ(バスやトラックのものよりも大きい)があり、たぶんイランでも使われているボウリングのピンのような形のものもあるのだろう。

泥だらけのいかつい男たちが湯気をたてながら格闘する様子に、やはり相撲部屋を連想してしまうのである。

時間最後のほうになると、それまでマスの外で見学していた子供たちが取り組みをする時間となる。小学校高学年くらいになると、いろいろな技も繰り出すので、これもまた面白かった。

ただ気になるのは、四方をコンクリートで囲まれたマスの中(柔らかい土が敷き詰められている)で取り組みがあるのだが、隅に近いほうで技をかけたら、衝突して大怪我をしないのか?というところだ。

あるいは、そのあたりの空間感覚、距離感覚は体得しているので問題ないのだろうか。

コールハープル散策 1  王宮見学等

チャトラパティ・シャーフー博物館

宿からオートでニューパレスこと、チャトラパティ・シャーフー博物館にいく。コールハープルは藩王国の王都であっただけあり、その過去を思わせる建物は旧市街のそこここに残されており、ちょっとパティヤーラーを想起させるものがある。

英領時代に定められた藩王を迎える際の礼砲数は19発。パティヤーラーは17発なので、こちらのほうが格上の藩王国ということになる。礼砲数21発のハイデラーバード、マイソール、グワリヤルなどの筆頭5藩王国のすぐ下のランク、つまりウダイプルやインドールなどと同格なので、とりわけ重要度が高いものひとつであったといえる。

博物館は、そのまま藩王家にまつわる博物館である。外国人料金はなく、30ルピー。ダルバールホールは見事なものであったし、武器類や調度品、狩猟で仕留めた動物たちの剥製、そうした動物たちの牙、爪、足などを利用した燭台やグラスなどといった展示もある。せっかくなので建物内部も撮影してみたかったし、展示物も同様なのだが、別料金で写真撮影を許可する措置がないのは残念であった。

気根がやたらと見事なバニヤンの木

旧市街に戻る。ちょうど宿の近くにマハーラクシュミー寺院があるし、このエリアが旧王宮地域でもあることから、観光には大変都合がよい。

旧市街風景

ビリヤーニーにライタではなくラッサムが付いてくるのは初めて見た。

本場ではないが、ドーサで軽食
これまた本場ではないが、パンジャーブ料理の店にて。こんなことをしているうちに本場でコールハープリー料理を食べる機会を逃してしまった。

ラトナーギリー 3 赤い大地と青い海

マハーラーシュトラ州南部からゴアにかけて、いわゆるコーンカーン地域では、ラテライト質の土壌から、大地が赤く見える。当地の典型的な石建材はこれ。気泡のようなものが入っており、切り出しても表面がデコボコの石。比較的硬度は低いようで、加工はしやすそうだ。

この地域では丘陵地が続くことから、断崖絶壁のすぐ横に穏やかな浜辺の景色があったりする。いろんな眺望が楽しめてなかなか良い。インド人の間では、リゾートとしても知られるラトナーギリーである。