シブサーガル到着

シブサーガル池
シブサーガルではガイドブックに記載されていたアッサム州政府観光公社経営のツーリスト・ロッジに宿泊。前日に電話で空きを確認しておこうかと思ったのだが、ガイドブックに記された番号にかけても『この番号は存在しません』という音声が流れるだけだった。同じ観光公社経営のグワーハーティーのツーリスト・ロッジに電話をかけて尋ねてみると、告げられた番号は違うものだった。かけ直してみたがこの番号でも通じない。同じ組織の中でも横の連絡がうまくいっていないようで何とも頼りない。
とりあえずシブサーガルに着きバスを降りてからリクシャーでこの宿に向うと、果たしてこのツーリスト・ロッジはちゃんと存在していた。ガラガラに空いていたのであえて前もって予約する必要はなかった。
ツーリスト・ロッジ

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旅行は楽しい

NHKの『ドキュメント72時間』というプログラムで『バックパッカーたちの東京』と題した番組をご覧になった方々もあると思う。昨年10月10日にオンエアされたものだが、2月27日に再放送されていた。
日雇い労働者が多く滞在することで知られる東京の山谷界隈(台東区と荒川区にまたがる地域だが、現在『山谷』という地名があるわけではない)を訪れる外国人バックパッカーが増えているとのことだ。この地区を見物したりするわけではないし、日本の失業問題等に関心を寄せているわけでもなく理由は安価な簡易宿泊施設の存在だ。どこの国でも西欧人旅行者たちがよく手にしている『ロンリー・プラネット』のガイドブックに紹介されているため日本を旅行する彼らが滞在していることが、NHK取材班の目に止まったようだ。
『寄せ場』『ドヤ街』になぜガイジンさんたちが?というスタンスから始まり、滞在先が山谷であることに深い意味を持たせようという試みに終始した挙句、結局は『自分探しの旅』『夢を探す旅』と結論付けて番組は終了してしまった。
おそらくこの番組をプロデュースしたのは相当年配の方ないかと思うが、カルカッタのサダルストリートやデリーのパハルガンジあたりの旅行者ゾーンで昔から繰り広げられている光景と特に変わることはなく、ただその場所が日本であるというだけのことだ。
アルバイト等で稼いだなけなしのお金を握り締めた庶民の若者たちが『資金はあまりないけど、行きたいところが沢山ある』から旅に出ているのだ。可能な限り滞在費を安く上げるというのは当然のことである。彼らがもし若くしてリッチなセレブだったりすれば、わざわざこんなところに泊まるはずもない。山谷に来るのは、物価の高い日本の首都東京にありながらもそこには安い宿があるからで、その地域にどうして低料金で利用できる簡易宿泊施設があるのかということは彼らの旅行や目的とは関係ない。

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HIT & RUN

写真は文中の事故車両と関係ありません
アッサム州のジョールハートの空港に着いた。運が良いことにちょうどそこからシブサーガル行きのバスがあるとのことで乗り込む。空港からしばらく走るとジョールハートの市街地に出る。ジョールハートは、アッパー・アッサムへの玄関口であるとともに、ここから南東へ続く道はナガランド州へ、北西への道路はアルナーチャル・プラデーシュ州につながる交通の要衝でもある。郊外に出たバスはシブサーガル方面には国道37号線に乗り入れる。
片側二車線で舗装の状態も良好な快適な道が続いている。運転手はギアを一段下げてアクセルを大きく踏み込みバスをガガーッと加速させていく。まさにそのときだ。進行方向向かって左側に何かが衝突し、バス左側面にそれが嫌な音を立てながら引きずる音がしたのは。
車内の十数人ほどの乗客たちが総立ちになって左後方へ顔を向けている。そこには自転車とともに路面上に横転した男の姿があった。背後から陽が差しているため外傷があるのか、流血しているのかはわからないのだが、男はなんとか立ち上がって自転車を運ぼうとしているように見えた。
後続車がなかったのは幸いであったにしても、加速中のバスに衝突して無事であるはずはないだろう。街にどの程度の救急医療施設があるのかわからないが、急いで病院へ搬送されるべきである。

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今年のサクラ・バザーは週末2日開催

春先に東京のインド大使館で開催されている恒例の『サクラ・バザー』だが、今年から週末2日間の開催となるらしい。今のところ3月最後の週末(26日と27日)に予定されている。しかし桜開花の時期のためかあるいは準備の都合なのか、開催期日が変更となることはこれまでよくあったようなので、出かけてみようという方は時期が近くなったら確認したほうがいいだろう。なおこのサクラ・バザーに関する情報は詳細が決まったら在日インド大使館のウェブサイトにアップロードされるとのことだ。今年の関東地方は冬らしい寒さを迎えないままに2月下旬を迎えた。サクラ・バザーとともに訪れる(?)東京九段の春近し。

デジタル雑誌に思う

デジタル雑誌
このほどニューズウィーク日本語版Digitalのダウンロード販売が開始された。これをFujisan.co.jpが取り扱っている。
表紙と広告を含めた記載内容すべてが市販されている号そのままのレイアウトでパソコン画面上に再現されるものである。表紙から裏表紙までが全部デジタル化されているため、ウェブサイトと違って紙媒体のメディアの記事をすべて目にすることができるのだ。
同サイトでは他にもダカーポベースボール・マガジンWan等々のデジタル版が販売されている。もちろん定期購読申し込みのみならず、一冊ずつ単品での注文もできる。
私は冒頭のニューズウィーク日本語版を含めて何か個別の雑誌の定期購読を検討しているわけではないのだが、海外在住の人々にとって是が非でも目を通しておきたい日本の雑誌があれば、発行日に即、すでに発刊されているものを単品で購入する場合は注文後即座に、そして確実に手に入るという点で紙媒体を凌駕するメリットがあるだろう。
現在、ニューズウィーク日本語版を買うと、同じ号のデジタル版が無料でダウンロードできるようになっているが、ここで取り扱っている電子雑誌類の中にはいくつか無料の見本誌が用意されているので使い勝手を試されてはいかがだろう。
これらデジタル雑誌は一見PDFファイルに似ているが、記事内にある参照URLサイトのアドレスをクリックするとそのまま飛ぶことができる、いくつか音声および動画プログラムが埋め込まれている部分ではマウス操作によりインタビュー内容や映画の予告編などのビデオが動き出すようになっていたりするなどデジタル雑誌ならではの工夫がなされている。また雑誌によっては音声付で発売されているものもある。
Fujisan.co.jpで取り扱うデジタル雑誌をダウンロードしたり読んだりするためには、専用のFujisan Readerというプラットフォームが必要となり、まずはこれを所定の手順を踏んでダウンロードしてパソコンにインストールすることになる。
電子媒体であるがゆえにコピー対策は万全なようだ。その反面、利用者にとってはやや使いづらい部分もある。ダウンロードしたパソコンでしか読むことができないため、最初からモバイルPCにダウンロードしなくては屋外に持ち運ぶことができないし、自宅でダウンロードしたデジタル雑誌を出先のパソコンで参照するなどといったこともできない。本来手軽に持ち運びできるはずの雑誌ながらも、デジタル版だと読む場所が限られてしまうのだ。
また複数の見本誌をダウンロードしてみて気がついたのだが、版元によっては記事を印刷することができない(Print Screenも不可)なものがあることについても不便に感じる人は少なくないではないだろうか。例えば記事中で取り上げられていたスポットや店などを訪れる際、文章や地図をプリントアウトしてカバンの中に放り込んでおきたいことだってあるはず。
それに紙媒体の場合に必要となってくる大規模な印刷設備、大量の用紙、流通システムその他が不要なので、デジタル雑誌にかかるコストは相当安くなっているのではないかと思う。それでも印刷物とデジタル版の競合を避けるためか、同一誌ならば紙・デジタルともに価格が同じであることもちょっと解せない気がする。
このデジタル雑誌は利用者のスタンスから眺めると不利な部分も少なくないものの、保管スペースが不要という点では大いに魅力的だ。とかく週刊誌類はあっという間に溜まってしまうものだ。何か気になる特集記事や興味深い時事問題を扱った号のみ保存することにしていても、積もり積もればかなり邪魔になってくるし、それらを適当に放っておくと散逸してしまいどこにあるのか探すのが大変!なんてこともある。やや読みづらく取り回しが悪くても、パソコンの中に規則正しく保管できるということは大いに助かる。蛇足ながら通常の雑誌と違い誌面が劣化しないのもいい。
IT大国インドでも、いつかこうした共通企画(メディアごとの規格でもいいが)のもとで、各メディアからデジタル化された週刊誌や新聞を出してくれないものかと思う。いつでもどこでもインド中の『今読みたい』メディアを自宅にいながらにしてダウンロードして読めるといいし、それらが必要に応じ発行時期で検索してバックナンバーを購入することができるといい。もちろんそれぞれのウェブサイトでもおおよその内容は把握できるとはいえ、『実物』のボリュームはそれらと大違いだ。近未来のインドのメディアのありかたに大きく期待したい。せめてインディア・トゥデイやフロント・ラインといった大手週刊誌からでもこうした流れが始まってくれないものかと願っている。