サウス・パーク・ストリート墓地 1

サウス・パーク・ストリート墓地
サウス・パーク・ストリート墓地に出かけてみた。墓地が設立されたのは1767年。そのころごく付近のフリー・スクール・ストリート(現ミルザー・ガーリブ・ストリート)界隈はまだ竹林でトラが出没することもあったという。カルカッタの街の草創期、ここは周囲を湿地帯に囲まれており、墓地の前の通りがパーク・ストリートと名付けられる前にはベリアル・グラウンド・ロードという陰気な名前で呼ばれていたそうだ。
この墓地ではイギリス統治下のカルカッタに生きたイギリス人たち(一部アルメニア人やアングロインディアンたちも埋葬されている)がここに眠っている。今もパーク・ストリートとチョウリンギー・ストリートの交差点近くに存在し、東洋研究の拠点として開かれたアジアティック・ソサエティ(創立当時はロイヤル・アジアティック・ソサエティ・オブ・ベンガルl) の創設者ウィリアム・ジョーンズ(1746〜 1794))やインド狂のイギリス軍人チャールズ・スチュワート少将(1758 ? 〜1828)などがこの墓地に葬られていることは良く知られているところだ。

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デリー発ラーホール行き列車でテロ

デリーからパーキスターンのラーホールに向うサムジョーター・エクスプレスは現在往復週二便運行されているが、日曜日にデリーを出発したこの列車が深夜前後にパーニーパト付近を通過中に二度爆発し炎上。乗客の7割以上がパーキスターン国籍の人々であったとされるが、現在までこの列車に乗り合わせていた人々のうち66名の死亡が確認されている。
タイミングからして、明らかにパーキスターン外相が今月20〜23日の予定でインドを訪れる直前を狙って印パの対話を妨害しようという、両国間の関係改善の流れに揺さぶりをかけようという試みなのだろう。犯行グループが所属すると思われる組織名がふたつばかり挙がっているものの、まだどちらからもテロ実行に関する声明は出ていない。いかなる主義・主張があろうとも、こうして人々を巻き添えにする暴力が正当化されることはないし、一般市民の共感を得ることはあり得ない。
それでも両国の人々にとって相手国への不信感を生じさせ、今後政府間の対話に大きな差し障りを生むことは確かだろう。まさにそれこそが犯人とその背景にあるものの目的であり、現在の両国の対話ムードに冷水を浴びせることができれば大成功といったところであろう。それにしても印パ分離以来すでに60年経とうかというこの時代になってもその悲劇を逆手にとってこうした事件が起きるのは実に悲しいことである。
どの国にあっても、私たち普通の市民にとって一番大切なことは世の中が平和であること、日々の暮らしが安全であることなのだ。血を流すような抗争、身内や自分自身が命を落とすかもしれないような争いなど誰が欲するものだろうか。不幸にもこの事件で犠牲になられた方々の御冥福をお祈りするとともに、無辜の市民を犠牲にする暴力に対して大きな怒りを表明いたしたい。
Samjhauta Express blasts (The Times of India)

タムロンA18  世界最高倍率の18-250mm

Tamron 18-250
2月22日(木)にタムロンから現在世界最高倍率のデジタル一眼レフ用ズームレンズ『AF18-250mm F/3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro (Model A18)』が発売される。当初はキヤノン、ニコンのマウント用だが、後日ソニー、ペンタックス用も順次発売される。カバーする画角は18mmから250mmでズーム倍率13.9倍となる。キヤノンEOS Digitalシリーズに装着した場合、35mmカメラ換算で28.8ミリから400mmに相当する。つまりこれ一本であらゆる用途、街歩きから山岳写真、人物からサファリまでオールマイティに対応できるのだ。
ズームレンズ、とりわけ高倍率なものの場合、画質等についてむやみに高い期待をすることはできないものである。またレンズをいろいろ交換できることがメリットの一眼レフなのに、敢えて一本だけですべての用事を済ませてしまうようでは勿体ない。高倍率ズームレンズの存在意義はまさにその汎用性にある。しかし荷物を極力少なくしたい旅行の際や待ち歩きのときなど一本で何でもできるので非常に重宝する必須アイテムである。
2004年にシグマから『18-125mm F3.5-5.6 DC』が発売されたときには「ずいぶん便利なものが出たな」といたく感激したものだが、続いて2005年に同社から発売されたテレ端を大きく伸ばした『18-200mm F3.5-6.3 DC』が売り出されたときには、解像度等が著しく劣るのではないかと思ったが決してそんなことはなかった。良好にして便利なレンズであると判ってからは、これも購入して現在愛用中である。 

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隣接州の禁酒解除でディーウ島凋落の危機?

ディーウ島略図
先日、禁酒州のグジャラート州では酒類に関する部分的な解禁が予定されていることを伝えたが、同州で近い将来アルコールが本格的に解禁となったらどうなるだろう。酒類販売のライセンス、バーの営業許可その他大きな利権が動くことになるだろうし、酒造会社の工場も各地に進出してくるかもしれない。合法化されると白昼堂々といろんな酒が購入できるようになり、バーの許可を得たレストランでは普通にビールなど楽しむことができるようになる。これまで酒をたしなむ習慣がなかった堅物も『さてどんなものだろう?』と手を伸ばしやすくなる。酒を取引することが『罪』でなくなると意識の上でもかなり大きな変化が起きるのではないだろうか。アルコール類がいとも簡単に入手できるようになると、若年層の飲酒も社会問題化するのではないかと予想している。とかくこの世の中、何ごとかが『解禁』されると大きな反動があることは珍しくない。
だか州内はもとより、グジャラート州の禁酒政策により恩恵を蒙ってきた隣接する連邦直轄地ディーウの行方もちょっと気になっている。

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グジャラート州 酒類解禁への道 

酒、酒、酒・・・
禁酒州
インド独立の父、ガーンディーを生んだグジャラート州といえば言わずと知れた禁酒州。1960年5月1日にそれ以前のボンベイ州から分離し新州が成立してから現在まで、酒類の販売、持ち込み、消費等が禁止されている。バスなどで入る際に州境の検問で警官たちが乗り込んで来て簡単な車内検査を行なうことがあるが、鉄道で出入りする際には特に何もないため、国外から来た旅行者などはここが禁酒であることを知らずにそのまま持ち込んでしまうこともあるだろう。外国人のカバンをひっくり返して細部まで調べるなんてことはないので持ち込もうと思えば簡単にできてしまうのだが、同州の法を犯すことになるという認識は必要である。飲酒をしようという場合、私自身特に手続きしたことはないのだが、正式には当局からリカー・パーミットを取得して定められた場所で飲むことになる。
街中の風景に酒屋やバーが見当たらないのはやや寂しい。でも休暇で訪れているぶんには我慢できないこともないし、たまには肝臓にお休みをあげるのもいいではないかと思う。
しかしこの地域に仕事その他で居住するとなると話は違ってくるだろう。おおっぴらに飲み会やパーティーを開くわけにはいかないので、『飲みニュケーション』文化圏の人々は困るだろう。自宅にストックして身内や親しい人たちと飲んでいる分には警察の厄介になることはまずないにしても、『酒=犯罪』に関わっていることに違いはない。何時捕まってしまっても文句は言えないというリスクを抱え込むことになる。

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