【再送】パーキスターンでインド映画上映可能に

 1月22日付けのサンデー・タイムズ・オブ・インディア紙によると、パーキスターンでもインド映画の上映が可能となるらしい。
 パーキスターン映画制作者協会のサイイド・リズヴィー会長は、「パーキスターン検閲局は20日、インド人の俳優と監督による映画の公開禁止を解除した」と発表した。パーキスターンでは1965年の第2次印パ戦争以来、インド映画の上映を禁止していた。だが、パーキスターンでも人気のあったインド映画の上映が禁じられたことにより、同国の映画産業は失速し、1970年には1300軒あった映画館も、現在ではたったの270軒に激減してしまっている。その代わり、パーキスターンではインド以上にVCDやDVDなどの海賊版が流布するようになり、パーキスターン人は専らそれらの違法手段でインド映画を楽しんでいるというのが現状である。
 40年振りにパーキスターンで公開される映画は、ウメーシュ・メヘラー監督の「Sohni Mahiwal」(1984年)になるらしい。これはインドとソビエト連邦の合作映画で、サニー・デオルとプーナム・ディッランが主演を務めている。なぜこんな昔の映画が第一弾に選ばれたのか、その詳細は不明である。


 こうなってくると、印パの映画人たちが映画を共同制作することも増えて来るだろう。マヘーシュ・バット監督が以前からパーキスターン人やロリウッド(パーキスターン映画界)とのコラボレーションを推進しているが、いよいよ本格的な印パ合作映画が登場するかもしれない。インド映画ではパーキスターンはあからさまな敵として描かれることが多いが、そうではなく、両者の視点から印パ問題を扱った作品などが出てくると、印パ映画は世界の映画界の中でも独自のステージに立つことができるのではないかと思う。
 気になるのは、インド側はパーキスターン映画に対して何らかの規制をしているのかどうか、ということだ。2年前に、インドでパーキスターン人女性映画監督サビーハ・スマールの「Khamosh Pani」(2003年)が公開されたことがあったが、あれは厳密な意味でのパーキスターン映画ではなかった(パーキスターン、フランス、ドイツの合作で、インド人俳優も出演)。だが、もし規制があったとしても、パーキスターン側の動きを受けてそれを緩和する可能性は大いにあるだろう。
 パーキスターン検閲局のこの動きは、きっと印パの映画界にいい影響を与えると期待している。

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【4月8日再送】
 4月7日付けのフライデー・レビュー(ザ・ヒンドゥーの折込)によると、40年振りにパーキスターンで一般公開されるインド映画とその日程が決定した。第1号は、「Taj Mahal」(2005年)になるようで、4月28日に公開される。第2号はカラーリバイバル版「Mughal-e-Azam」(2004年)で、6月2日の公開となる。上記のブログでも紹介した「Sohni Mahiwal」も公開準備中のようだ。
 また、パーキスターン人映画監督がインド人俳優を使って映画を撮影するというレアな計画も持ち上がっているらしい。映画の題名は「Tum Mere Ho(お前は俺のもの)」。ラージェーシュ・カンナー、アシュミト・パテール、アールティー・チャブリヤーなどが出演する。

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5 Responses to 【再送】パーキスターンでインド映画上映可能に

  1. ghalib says:

    「Sohni Mahiwal」上映理由は簡単です。
    パキスタン人、とりわけパンジャーブ人の心をくすぐる民話や伝説のなかに「ソーホニーとマヒーンワール(牛飼い)」があります。
    「チャナーブ川にまつわる悲恋伝説。グジュラートの壺作りの娘ソーホニーが牛飼いとなったブハーラーからの若い商人と密会するため、毎晩、陶器の壺につかまって川を渡っていくが、ある晩、その秘密を知った義姉が素焼きの壺にすり替えたことによって、ソーホニーは濁流に呑まれ、牛飼いも川に飛び込み二人して死ぬ、という話である。」(と、昔『もっと知りたいパキスタン』に書きました。)
    パンジャーブの有名な同種の悲恋伝説には、ほかに「ヒールとラーンジャー」や「ミルザーとサーヒバーン」があります。これらを題材にしたヒンディー語映画は何度も作られています。

  2. arukakat says:

    ghalib先生、なるほど、よく分かりました。

  3. ghalib says:

    2月8日付BBCUrdu.comによれば、「Sohni Mahiwal」に続いて、第2弾として「Mughal-e-Azam」、第3弾として「Taj Mahal」が公開されるべく現在検閲作業中とか。まあ、いい傾向でしょうね。

  4. arukakat says:

    「Mughal-e-Azam」や「Taj Mahal」は、ヒンディー語映画というよりもウルドゥー語映画なので、パーキスターン上映は妥当なところでしょう。しかし、あの難解なウルドゥー語は、一般のパーキスターン人は理解できるのでしょうか?

  5. AI-C●『Sohni Sapna (Beautiful Dream) / 美しき夢』

    ● Sohni Sapna (Beautiful Dream) / 美しき夢
    監督:Shaleen Sangha
    インド・カナダ / ドラマ / 2005 / ‘22”15
    おとぎ話の男と夢で出会い、恋に落ちるSohni。
    現実の彼の存在を忘れるほどに、気持ちが深まっ…

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