Some Change Some Forever、CPの映画館

 デリーの中心街コンノート・プレイス(CP)には4館の映画館がある。パーリカー・バザールの近くにあるリーガル、リボリと、Hブロックのプラザ、そしてDブロックのオデオンである。その内のプラザは去年、大手シネコンチェーンのPVRに買収され、PVRプラザとして再オープンした。今度はリボリがPVRリボリになって1ヶ月以内に再オープンする、とのニュースが12月6日付けのタイムズ・オブ・インディア紙で報じられていた。
 コンノート・プレイスに映画館が建てられたのは1930年代のことらしい。まず1935年にリーガルができ、その後3、4年以内にリボリ、プラザ、オデオンと3軒続けて映画館が建ったようだ。

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2001年時のオデオン(左上)、プラザ(右上)、リーガル(下)
リボリの写真はない


 コンノート・プレイスにあるこれら4館の映画館は、かつて栄光の時代を謳歌したことがあった。デーヴ・アーナンドやワヒーダー・レヘマーンが主演した「Guide」(1965年)や、スニール・ダット、シャシ・カプール、シャルミラー・タゴールが主演した「Waqt」(1965年)はオデオンでプレミア上映が行われ、ラージ・カプールとナルギスが主演した「Shree 420」(1955年)はリーガルでプレミア上映が行われたという。また、これらの映画館には、インディラー・ガーンディーやジャワーハルラール・ネルーなどが頻繁に訪れていたという。
 ところが、インドでは既に時代の潮流はシネマ・コンプレックスである。コンノート・プレイスの映画館のような昔ながらの単館は、経営が困難になってしまっている。その影響でまずはプラザが買収され、今度はリボリがPVRの軍門に下ったことは想像に難くない。リボリには一度行ったことがあるが、かなり汚なくて臭くて驚いた記憶がある。PVRの手が入るとだいぶ清潔になりそうで、それはそれで歓迎したいのだが、何となく寂しい気もする。また、PVRは僕が愛用している映画館だが、デリーのほとんどの映画館がPVR系列になって行く勢いなのにはちょっと抵抗感を感じる。現在デリーとその周辺には、11館のPVR系列映画館がある。
 一方、オデオンは現在、CP初のシネコン化を検討しているという。スペースがないために大規模なシネコンは無理だが、もうすぐ2スクリーンの映画館に改築される模様だ。
 そんな中、リーガルだけは今のところこのまま経営を続けていく予定らしい。リーガルのオーナーのS・ダヤール氏は、なるべく映画館を昔ながらのままに保存するつもりのようだ。ダヤール氏曰く、「座席や映写機などの設備の改善はするが、他はそのまま残しておきたい。シネコンに行けない映画ファンのために料金を25〜65ルピーに抑え、ポップコーンの値段も10ルピーに据え置いている」そうだ。リーガルは暴力的かつエロチックな映画を好んで上映する映画館で、なやましい女性の半裸体や怒り狂った男の顔のビルボードがよく表通りに飾られているので、あまりいい印象を抱いていなかったのだが、ダヤール氏のコメントを見て何だか応援したくなった。
 CPの映画館事情を見ていたら、何となくビートルズの「In My Life」の歌詞の一節が思い出されてきた。
 There are places I remember all my life,
 Though some have changed,
 Some forever, not for better,
 Some have gone and some remain.

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4 Responses to Some Change Some Forever、CPの映画館

  1. bepari says:

    管理人さん、なますて〜
    12月にHPとウェブショップをオープンしました。
    開設準備に追われて、最近インド映画とはご無沙汰だったのですが、また映画評読ませていただく時間できそうです。
    リンク集のページにこれでインディアを掲載させていたきたいのですが、かまいませんでしょうか?
    よろしくお願いいたします。

  2. arukakat says:

    bepariさん
    ナマステ〜。
    リンク、大歓迎です。
    新サイト、オシャレなデザインですね。
    「これでインディア」からもリンクさせていただきます。
    店舗は秋葉原なんですね。
    今度日本に帰ったときに伺おうかと思っています。
    これからもよろしくお願いいたします。

  3. TOMATO says:

    初めまして。
    素晴しいインド体験ですね。楽しく拝見させていただいてます。全部、見るのに当分かかりそうですが、、、身毒といったですね。食い物ネタが少ないように感じますが、今まで感動の食べ物は?

  4. arukakat says:

    >Tomatoさん
    コメント遅れまして申し訳ありません。この前はお会いできて嬉しかったです。食べ物に関するネタは、グルメな方たちにお任せしています。食べ物の感動は後に残らないのであまり覚えていませんが、アッサム州の安食堂で食べたフィッシュカレーがインドで一番感動した食べ物だったと記憶しています。

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