SMS

 ずっとインドに住んでいるので、日本で「SMS」という言葉が使われているか知らないが、「SMS」とは「Short Messaging Service」の略で、つまりは「ケータイメール」のことである。ちなみに、写真などを添付したメールは、「MMS(Multimedia Messaging Service)」と呼ばれる。
 しかし、現在最もホットな「SMS」は、携帯電話のメールではない。「Sania’s Mini Skirt」、つまり、現在インドでクリケット選手を凌ぐ人気を誇る女子テニス選手、「センセーショナル」サーニヤー・ミルザーのはいているミニスカートのことである。「ミルザー」という名前が示す通り、サーニヤーはイスラーム教徒である。「サーニヤー」という名前がどこから来ているのか不明だが、もしかしたら英語名かもしれない。イスラーム名だったらサニーヤになるはずだが、ヒンディー語の新聞では概ねサーニヤーと表記されている。ヒンドゥー名にもサーニヤーという女性名がありうる。だがもし英語から来ていると確定できたら、個人的カタカナ表記規則に則って「サニア」に変える予定だ。それはともかく、彼女はイスラーム教徒なのである。さすがに「ブルカーを着て試合をしろ」と注文を付ける人はいないようだが、一部の頑固なイスラーム団体は、サーニヤーが着ているテニスウェアを「非イスラーム的」であるとして、警告を発している。おかげで最近のサーニヤーはボディーガードを連れて歩いているようだ。だが、世論はサーニヤーの味方であり、「サルマーン・カーンが映画中で必要以上に肌を露出させても何も言わないのに、スポーツをしているサーニヤーだけに警告を発するのはおかしい」という面白い意見も聞かれた。

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サーニヤーのミニスカート
SMS vs MMS(Morality Monitoring Service)の決着やいかに


 サーニヤーは、今月6日に全米オープンでロシアの人気テニス選手、マリア・シャラポワと対戦したため、日本人の間でも徐々に名を知られるようになって来ているようだ。20日には、コールカーターで行われているサンフェスタ・オープンで日本人の波形純理選手と対戦し、圧勝した。この試合は最初から最後まで中継を見ていたが、テニスの腕、ファッション性、トリッキーさ、スター性、運の良さ、どれをとってもサーニヤーが圧勝していたと言わざるをえない。現在サーニヤーの世界ランクは34位。全米オープンでのマリア・シャラポワとの18歳対決には完敗してしまったが、まだまだ上昇するだろう。
 また、サーニヤーの活躍のおかげで、今まで見向きもされなかった女子テニス界が俄かに脚光を浴びていることも特筆すべきだろう。女子テニス界だけでなく、今までクリケットの専制的人気に押しつぶされていた他のスポーツ界にもいい影響が出て来ているように思われる。
 ところで、前述の通り、サーニヤーのテニスウェアの肌の露出が問題となっているわけだが、最近、新聞に掲載されるサーニヤーの写真は、わざと微妙なポーズのものが選ばれているように思えてならない。例えば以下の写真。

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9月19日付けインディアン・エクスプレス紙
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9月21日付けタイムズ・オブ・インディア紙
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ネットで取得

 試合中の写真と言えばそうなのだが、「サーニヤー・マニア」と呼ばれる熱狂的ファン(特に男性)のエロティシズムを効果的にくすぐるような写真がわざと選ばれているように感じるのは僕だけだろうか?
 しかし、真のサーニヤ・マニアが求めているのは、そのような隠微な写真ではない。やはり、「Kal Ho Naa Ho」(2003年)でプリーティ・ズィンターがかけていたような、黒ブチ眼鏡をかけたサーニヤーである。

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眼鏡サーニヤー
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サングラスのサーニヤーもよい

 間違ってもサーニヤーにサーリーを着させてはならない。

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ちょっと派手すぎでは・・・

 そして、これは基本的なことだが、国民会議派のソニア・ガーンディー党首と名前が似ているので、混同しないように気を付けてもらいたい。

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Sonia と Sania

 おそらくサーニヤー・ミルザーのことを日本語で初めて報じたのは、僕の「これでインディア」だったのではないかと自負している(2005年1月22日−印テニス界の新星サーニヤー・ミルザー)。というわけで、僕は日本人サーニヤー・マニア第1号を自称していいだろうか?ただ、それより以前に、デリーに試合をしに来る日本の若いテニス選手たちが、「かわいくて強いインド人女子テニス選手がいる」と噂していたのを覚えている(彼らはよく近所にある日本食材店Yamato-yaに食材を買いに来るので話をする機会がある)。おそらくそれはサーニヤーのことだったのだろう。
 日本におけるインドの注目度はここのところ急速に高まってきているように思えるが、経済だけでなく、スポーツなど多岐の分野に渡ってインドが注目を浴びるようになってくれると嬉しい。サーニヤーはその原動力となるだけの魅力をもった人材だ。それにしても、サーニヤーの世界ランク急上昇と、Sensex(インドの代表的株価指数)の急上昇は連動しているように思えてならない。

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One Response to SMS

  1. arukakat says:

    「サーニヤ」とは、「秒」という意味で、正当なイスラーム教徒の名前のようです。しかし、デーヴナーグリー文字で書くと「サーニヤー」となるので、これからも「サーニヤー・ミルザー」と表記していくことにします(ヒンディー語至上主義原則により)。生捨さん、情報ありがとうございました。

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