デリー観光

 今さらデリー観光というのも何だが、今日1日はデリーを観光して回った。別に誰かお客さんが来たわけでもないし、今まで行ったことのない観光地へ行ったわけでもない。デリーに住んで数年、という猛者たち4人で連れ立っての奇妙なデリー観光である。
 そもそも、こんなことをすることになったのは、デリー日本人会が3年に1回発行しているデリー生活情報冊子「生活の手引き」の制作のためである。現在、広報部や婦人部を中心に鋭意制作中だ。今回はかなりの変革が加えられる予定で、それに伴って「デリー観光」というチャプターも加えられることとなった。僕は日本人会に入会していないのに、広報部に組み込まれているという奇妙な状態にあり、デリー観光のページを担当することになっていた。今日は僕が考案した「デリー観光モデルコース」を実際に巡って取材することになったのだった。
 移動はかなり楽だった。トヨタのイノヴァという最新型8人乗りミニバンの最高級革張りタイプ(約90万ルピー)を用意してもらえたからだ。乗り降りが非常に楽な自動車として評判である。今日は昼頃からかなり暑くなったのだが、冷房の効いた車内でくつろぎながらの大名旅行で、渋滞も悪路も全く苦にならず。

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やっぱりイノヴァ
100人乗っても大丈夫?


 半日で回れるモデルコースを2つ作るよう指示されたので、単純に地理的な観点から、オールド・デリーとニュー・デリーの観光地を巡る「新旧デリー探索コース」と、南デリーの観光地やモールなどを巡る「南デリー探索コース」を作った。今日は朝からその2つのコースを1日で回ったのだった。モデルコースは以下の通りである。
■新旧デリー探索コース
1.ラール・キラー
2.チャーンドニー・チャウク
3.ジャーマー・マスジド
4.インド門
5.プラーナー・キラー
6.動物園
7.フマーユーン廟
■南デリー探索コース
1.クトゥブ・ミーナール
2.トゥグラカーバード
3.ロータス・テンプル
4.アンサル・プラザ
5.ディッリー・ハート
6.ハウズ・カース・ヴィレッジ
 午前はまず「新旧デリー探索コース」を巡った。ひとつひとつの観光地などの詳述は省くが、いくつか特筆すべき点があった。
 まず驚いたのは、チャーンドニー・チャウクにマクドナルドができていたことだ。いつできたのか全く知らなかった。チャーンドニー・チャウクと言えば、ムガル朝時代から続く由緒正しい商店街。そこにマクドナルドが出店するとは・・・まるで浅草の仲見世通りにドン・キホーテが建ったようなものだろう(ちょっと違うか・・・)。

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マクドナルドのチャーンドニー・チャウク店

 ラールキラーの近くに自動車を停めていたので、ジャーマー・マスジドまで行った後はサイクルリクシャーで再びラールキラーまで戻って来たのだが、その途中、暴走バスに正面から衝突されそうになった。サイクルワーラーが無理に交差点を横断しようとしたからそうなったのだが、「スターウォーズ エピソード3」の冒頭の宇宙戦に勝るとも劣らない迫力でバスが眼前に迫ってきたので、僕は本当に一瞬死を覚悟して「うぁああああ!」と絶叫してしまった。だが、サイクルワーラーとバスの運転手の絶妙なコンビネーションのおかげで、間一髪助かった。もうこれだけでデリー観光はお腹いっぱいですわ・・・。
 プラーナー・キラーは相変わらず恋人たちのメッカである。公然とキスをしているカップルもいるから、こちらが恥ずかしくなってくる。その隣の動物園では、ホワイトタイガーを見た。デリーの動物園にいるホワイトタイガーは、1951年にマディヤ・プラデーシュ州レーワーのジャングルでマハーラージャーに捕獲された珍種(モーハンと名付けられた)の子孫で、アルビノではないらしい。モーハンは普通の色のメス虎と掛け合わされたが、生まれた子供にホワイトタイガーはいなかった。そこで、再びモーハンとその娘を掛け合わせたところ、ホワイトタイガーが生まれてきたという。デリーの動物園では、5匹のホワイトタイガーを見た(その内2匹は子供)。今日はみんな元気に動き回ってくれていて大満足。

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ホワイトタイガー

 昼食はクトゥブ・ホテルの「Laidbackwater」という新レストランで食べた。今デリーのリッチな若者たちに大人気らしい。レストランの内装は、モダン・アラブ風とでも言おうか、なかなかかっこよかった。メニューには「Yaki-Soba」とか、日本料理っぽいものも見受けられたが、スペシャリティーはシーフード。「インドでインド料理以外に手を出してはならない」という鉄則を死守しつつも、「デリーでシーフードに期待してはならない」という鉄則を破った僕は、「Goan Fish Curry」(645ルピー)を食べた。辛かったがまあおいしいと言えるだろう。もう1人の人が注文した、ベンガリー料理のプラウン・カレーも悪くなかった。しかし、他には「麻婆豆腐とザルソバの盛り合わせ」としか言いようがない料理が出てきたり、やたら塩辛いナシゴレンが出てきたりと、インド料理以外に手を出すと痛い目に遭うレストランであることも分かった。値段もベラボウに高い。他の多くのレストランやバーと同じく、雰囲気を楽しむためのレストランと言えるだろう。また、ここで食事を取った後、腹の調子がおかしくなったことも追記しておく。

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Laidbackwater
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Goan Fish Curry

 午後からは「南デリー探索コース」を回った。クトゥブ・ミーナールはかなり混んでいた。その多くは地方からデリー観光にやって来たと思われるインド人おのぼりさんである。クトゥブ・ミーナールでいつも悔しい目に遭うのは、例の「錆びない鉄柱」である。「錆びない鉄柱」を銘打っている割には、錆びているのだ。今までここに連れて来た人たちはみんな異口同音に「錆びてるやん!」と不平不満を漏らす。だから、僕はそういうときは「錆びない鉄柱を錆びさせてしまうインドのこの摩訶不思議を見よ!」と言ってごまかしている。

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錆びてる錆びない鉄柱

 クトゥブ・ミーナールの後は、普通の人はあまり訪れないであろうトゥグラカーバード砦へ行ってもらった。実はトゥグラカーバード砦はデリーの遺跡の中で一番のお気に入りだ。ここはデリー最南端と言っても過言ではない。ここの頂上から見える雄大かつ物寂しげなデリーの風景や、遠くに見えるギヤースッディーン・トゥグラク廟、アーディラーバード砦なんかが大好きだ。「デリーでプロポーズをするのに使いたい場所はどこ?」と聞かれたら、僕は迷わずトゥグラカーバード砦の頂上と答える。・・・そんな質問は普通されないが・・・。デリーに来て、時間があって、しかも移動の足がある場合は、是非訪れてもらいたい場所である。
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 それにしてもモデルコースを考えるのは難しい。観光客はそれぞれ興味が違うし、時間の余裕も金の余裕も違うからだ。もっと賢いコース取りはいくらでもあるだろう。もっと市場や博物館を巡りたいという人もいるだろうし、最近では、「デリーメトロに乗りたい」という声も多いと聞く。僕が初めてインドを訪れたときは、インドの映画館でインド映画を見たくて仕方なかったのを覚えている。面白半分でデリーの有名な売春街、GBロードを観光コースに入れる人もいる(大抵の人が、顔面蒼白になったり足をガクガク震わせたり警察に棒で叩かれたりして逃げ帰るという)。と思えば、初日でインドに恐れをなして、ずっとホテルの部屋に閉じこもってインドの旅を終える可哀想な人もいるし、「デリーはどうでもいいから、とにかくタージ・マハルを見たい」とデリー観光をすっ飛ばしてしまうせっかちな人もいる。難しいものだ。
 もし半日のデリー観光モデルコースを2つ作るとしたら、どんなコースが理想だろうか?アイデアのある方はコメントに書き込んでいただきたい。

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12 Responses to デリー観光

  1. Furui says:

    個人的には我らがJNU「ワイルドライフ・サンクチュアリ」を加える事を強くお勧めします。孔雀を見て喜んでもらえるのでは?

  2. 生捨 says:

    いーっ!チャーンドゥニー・チョゥクにマックとは…
    だはぁ〜、ッウ!(突然ギザルでちょっと感電!)級にビックリ。
    宝石店で光り物を求めに来る良家の子女や外国人観光客もそこそこ多いから納得もできるけど・・・なんかなぁ〜。
    ちなみに通りのどこら辺なんでしょ〜か?

  3. arukakat says:

    Furuiさん
    一般の日本人観光客はリスだけで驚いたりしますからねぇ。孔雀やニールガーイを見たらおったまげるでしょう。もしJNUでのホタル目撃情報が正しければ、「天竺ホタル」はかなりの目玉観光になりますね。
    生捨さん
    チャーンドニー・チャウクのマックは、ラール・キラーのすぐ近くで、外国人観光客をモロに意識した立地となっております。

  4. Furui says:

    半ば冗談で言ったJNUはさておくとして、リスやオウムで良ければローディー・ガーデンも良いかもしれません。遺跡も見られる上、ある意味旅行者向けなカーン・マーケットでのショッピングと組み合わせることも可能です。インド門の後に加えるのも良いかと。
    なお、私がJNUで蛍を見たのは、3年前の夏(5月半ばでしたか)、イースト・ゲートを入ってすぐにある小川ででした。JNUでは夏にセミも鳴きますよね。

  5. まー says:

    >arukakatさん
    日本人会に入っていらっしゃらないのにお手伝いしてくださっているんですね。本当にありがとうございます!ご苦労様です。トゥグラカーバード砦はいつも外から見ているだけですがいいですね。罪人が隠れているかもしれないから一人で行かないようにと言われましたからあそこは上級者コースですか?チャッタルプールの寺院群も面白いと思います。
    >Furuiさん
    蛍がいるなんてすごいですね。セミまで!私はデリーにセミはいないとウソをついていたことになります。ムスリで黄色いセミを見て思わず写真を撮ってしまったことがあります。JNU、穴場ですね。
    >生捨さん
    マックは通りの北側にありますが、かな〜り浮いています。「どうしてここにいるの?」と言いたい位です。目の錯覚かと思いました。

  6. arukakat says:

    まーさん
    トゥグラカーバード砦は現在では入場料を取ってちゃんと管理していますので、強盗や罪人が隠れているなんてことはないと思いますが・・・。しかし、隠れていても不思議ではないと思わせる雰囲気はありますね。チャッタルプルの寺院群は、僕も候補に入れようと思いました。遺跡ではなく、チャッタルプルのように生きている寺院には、インド人と行くと面白いのですが、個人で行くとなかなか入っていけないものがありませんでしょうか?

  7. Furui says:

    まー様
    私が半年JNU内の寮に住んでいた時に個人的に経験したのは、蛍・セミ以外だと「部屋の前の木の枝に孔雀」「岩山近くで孔雀の求婚ダンス」「夜中にスクール裏でニールガーイにひょっこり遭遇」「夜中に図書館前の林でフクロウノ鳴き声」「寮近くの林で80センチほどのトカゲがのそのそ」といったところです。私は個人的に経験していないのですが、毒蛇がいたり、寮の部屋にサソリが出たりもするそうです。何はともあれ、デリーのような大都市にあって非常に貴重な生態系なのではないかと思います。
    なお、現在住んでいる住宅街でも、排水溝からマングースが出て来るのを時々見かけます。

  8. いそた says:

    お初に書き込みさせていただきます。
    本日トゥグラカーバード砦に行ってきました。気に入りました。しかし!動物たちの落し物がそこかしこに・・・。動物たちにはお目にかかれませんでしたが落し物だけしてどこいっちゃったんでしょう。

  9. arukakat says:

    いそたさん、こんにちは。トゥグラカーバード砦の一番高い場所まで辿り着けましたでしょうか?落し物は、おそらく修復作業に従事しているロバたちのものではないかと思います。

  10. 秋を感じに

    10月に入り、気温はまた30度を超すようになった。 しかし9月よりもなぜか過ごし

  11. says:

    7月21日レーにジェット・エアーウェイで飛んで1週間、下りはジープ(なんか変な名、SUMOUだそうだ)でマナリまで21時間、そこからバスで19時間かけ29日デリーに帰還。翌日この前タクシー代高くて行くのためらったクトゥブミナールに行ってきた。ニューデリー駅からローディーコロニー駅まで4ルピー、そこからバスで南下、7ルピーでいけた。帰りはローディ廟直ぐ前までバスで。この路線は混んでいなかったから、トラブルなし。流しも乗ってきてノンビリ。しかし今回初めてスリに遭った。パーク・ホテル真ん前でバスに乗ると、裕福そうでない4,5人の女性も一緒。奥があいているのに僕の前にいて入れない。一人が僕の目の前で片手でコインを数えてる?それに気をむけて、揺れて接触。やっと奥に入って
    バックを見るとジッパーが外も内も全開!航空券と大金の入った封筒がない!やられたと思ったが、オンナが床を指差すと落ちていた!失敗したらしい。親切なヒトだと一瞬思ったが、このオンナが犯人。写真を撮ればよかったが、ほっとして運転席ちかくに移動。そこで周りの乗客に話すと、あの女たちに気をつけろと。よかった、実害なし!

  12. arukakat says:

    あ、それと同じような女スリ集団、僕もバスの中で遭遇したことがあります。やはり失敗してて、実害はありませんでしたが・・・。

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