真夜中のドンドンドンドン・・・

 どうも僕は真夜中の物音には全く気が付かない人間のようだ。
 今日の早朝、目覚める前の一番心地よい時間をうっとりと過ごしていたところ、ドアがけたたましく鳴った。
 ドンドンドンドン・・・
 何かと思って「グーテンモルゲン」と扉を開けてみると、チャウキーダール(門番)だった。寝ぼけていてよく聞き取れなかったのだが、「アープキ・ガーリー(あなたの車)」と「アーグ(火)」という言葉が耳に残った。・・・瞬時に思考回路が限られた情報から状況を判断した――僕のバイクが炎上している・・・?一気に目が覚めた。
 急いでベランダに出ると、消防車が家の前に停まっている。こりゃ一大事だと、服を着て(裸で寝ているので)下に降りて行った(僕の家は日本式に4階なので)。


 見てみると僕の愛機カリズマは無事だった。だが、カバーには黒いススみたいなものが無数に乗っかっていた。外に出ていた大家さんやチャウキーダールの話を総合してみると、昨夜1時頃に、地中に埋まっていた電線が火を噴いたらしい。ちょうど僕がバイクを停めていた場所の地中に電線が通っている。出火した場所はそこから少し離れた場所だったようだが、僕のバイクの真下から出火したり、バイクに飛び火する可能性もあったようだ。現在、僕のバイクのタンクには、インド最高級ガソリンの名をほしいままにする「スピード97」(リッター55ルピー;通常のガソリンは現在リッター43ルピー)が入っている。点火したらさぞや派手に爆発してくれただろう。大家さんのドライバーから「アープキ キスマト テーズ ハェ(あなたは運がいい)」と言われるくらい、危機一髪の状態だったという。バイクは盗難防止のために、電信柱に頑丈なロックで括りつけてあるため、動かそうにも動かせない。チャウキーダールは深夜に僕の家の呼び鈴を連打したようなのだが・・・あまり覚えていない。そういえばそんな音がしたような気もするが、遠い過去の物語のようにも思える。電線の出火により、今日は夕方までずっと電気が来なかった。
 そういえば昔、同じような事件があった。あれは確か2002年のディーワーリーの日だった。ディーワーリーは花火の祭典。街中がまるで戦時下のように爆音と閃光と硝煙に包まれる。その夜、僕はぐっすりと眠っていた。すると、深夜ドアを叩く音が・・・。
 ドンドンドンドン・・・
 その後、階段を駆け上がったり駆け下ったりする音がひっきりなしにした。しかし、夢見心地だった僕は、何となく音がするな、と思いつつも目を覚まさなかった。翌日、ドアを開けてみると、ドアの前の階段がススだらけになっていた。大家さんに聞いてみると、上の階の物置にロケット花火が突っ込んで火事になったという。僕を起こそうと扉を叩きまくったらしいのだが、返事がなかったため諦めたとか。インドの建物は日本のように木造ではないので、火事によって建物が全焼するようなことは稀だが、それでも怖い。そういえば、かなり小さい頃に隣の家が火事になって怖い思いをした記憶が何となくある。
 今度からは真夜中にドアがけたたましく鳴ったら、なるべく目を覚まそうと思う。

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3 Responses to 真夜中のドンドンドンドン・・・

  1. yoshio says:

    so thrilling a story…i have no such terrible happening around me lately..so i miss it

  2. あっちゃ says:

    はじめまして。「これでインディア」とともにいつも拝見させていただいています。
    現在、シンガポール在住ですが、今年は11月1日にディーパバリの祝日があります。この期間はインド人街では光の装飾であふれますが、ここでは花火は禁止となってるんです・・・。
    でも、日記を拝見する限り、危険を伴ってまで祭りで花火をあげるというのも、ちょっと考え物ですね・・。
    さて、勝手ながら自分のブログにリンクをさせていただきました〜。事後報告ですみません。
    また遊びにきます!

  3. arukakat says:

    あっちゃさん
    リンクありがとうございます。
    「これでインディア エクスプレス」からはリンクをはる場所がないので、「これでインディア」の方からリンクをはらせていただきます。インド映画がお好きなんですね。これからもよろしくお願いします。

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