ボリウッド映画も禁煙に

 インドはいつもやることが極端で時々困ってしまうのだが、またも極端なことが行われようとしている。8月1日から、映画やTVドラマの中で、タバコそのものや、登場人物がタバコを吸うシーンを映すことが禁じられるらしい。また、この法律が施行される前に制作された映画や番組で、タバコが画面に出てくるものを放映する際は、「喫煙は健康に有害です」というテロップを流さなければならなくなるらしい。
 最近インドでも急速にタバコに対する規制が強まっている。僕はタバコを吸わないので、特に何の支障もなかったばかりかむしろ歓迎であったのだが、今回のこの規制にはかなりの疑問を感じる。確かに映画での喫煙シーンが、若い人々に喫煙を促している可能性は十分ある。だが、タバコは登場人物の人物像を象徴するシンボルのひとつであり、それをこんな極端な方法で廃してしまうことは、映画産業に対する抑圧としか思えない。


 当然のことながら、映画界からは早くも反発の声が挙がっている。マヘーシュ・バット監督は、「不合理な規則だ。喫煙を完全に禁止することは馬鹿げている」と述べており、シヤーム・ベネガル監督は、「喫煙はキャラ作りに不可欠だ。それを禁止することは何の意味もない」と批判している。その一方で、検閲局のシャルミラー・タゴール局長は、「喫煙シーンを禁止することが映画制作者の創造性を妨害するとは考えられない」と反論している。シャルミラー・タゴールが検閲局の局長になってから、ボリウッド映画にはおかしな規制が増えてきたように思える。前局長のアヌパム・ケールは、「もしタバコが問題ならば、なぜ政府はタバコ工場での子供の労働を禁止しないのか?明日には、政府は映画の中で銃を見せることを禁じるつもりだろうか?」と懸念を表明している。
 この規制はタバコ規制法の改正によるものだが、その影響は映画やTVドラマだけに留まらない。タバコ会社のロゴなどの放映も禁止されるため、例えばF1中継で、ミハエル・シューマッハのTシャツに描かれたマルボロのロゴも、放映時にカットされるかマスクされることになる。また、自動販売機によるタバコの販売も禁止されるという。・・・えっ?タバコの自動販売機なんてインドで見たことないが・・・。

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One Response to ボリウッド映画も禁煙に

  1. arukakat says:

    6月4日付けのタイムズ・オブ・インディア紙によると、情報放送省が、映画などからの喫煙シーンの削除案を拒否したとのこと。最終的な権限は同省にあるため、これでひとまずはボリウッド映画の喫煙は守られたことになる。

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