カリズマで世界一周

 10月11日付けのザ・ヒンドゥー紙に、バイクで世界一周中のインド人冒険家バーラドワージ・ダヤーラ(37歳)の記事が掲載されていた。

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バーラドワージ・ダヤーラ

 アーンドラ・プラデーシュ州ヴィシャーカパトナム(通称ヴィザーグ)在住のバーラドワージ氏は、昨年4月2日にヴィザーグを出発し、チェンナイ、ティルパティ、ハイダラーバード、プネーなどを巡ってムンバイーからイランへ飛び、中東やエジプトを巡った後、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、インドネシアを通過して、つい最近インドに戻って来たようだ。当然、ずっとバイクで移動したわけではなく、所々空路を利用している。彼は10月10日にデリーに到着し、これからコールカーター、ムンバイー、バンガロールなどを凱旋走行しながら、出発点のヴィザーグへ向かう。


 バイクで世界一周をする旅行者は珍しいわけではない。自転車で世界を一周している人もいるし、もっとすごい冒険をしている旅人もいる。だが、バーラドワージ氏が特殊なのは、企業の後援を全く受けていないということもあるが、何よりインド製バイクで世界一周を達成したことに尽きる。彼は、インドのバイクに世界一周に耐えうるだけの能力があることを証明した。しかもよく見ると(よく見なくても)そのバイクはヒーロー・ホンダ社の225ccバイク、カリズマであることが分かる。何を隠そう、僕が乗っているバイクである。長距離旅行用に各種改造がなされているが、原型は十分留めている。
 走行距離は50,000km。当然、自分でメンテナンスをしながら走行したようだが、カリズマが50,000kmの道のりを走行するだけの耐久度のあるバイクだということが分かっただけでもちょっと嬉しい。ちなみに僕のカリズマの走行距離は現在30,000km弱である。
 バーラドワージ氏のブログによると、彼はパラグライダー、セーリング、トレッキング、ロッククライミングなどに長けており、空手の黒帯を持っているらしい。職業はそれらのインストラクターのようである。
 ただ、旅人の視点で彼の世界一周「五大陸制覇」のルートを見てみると、必ずしも手放しで賞賛すべきものではない。まず痛いのは、パーキスターンを経由してイランへ行っていないことだ。ムンバイーから空路でテヘラン入りしてしまっている。やはり彼はインド人なので、パーキスターン入国は厳しかったのだろうが、世界一周やユーラシア大陸横断を志す旅行者にとって、インド→パーキスターン→イランのルートは絶対に外せない必修科目みたいなものであり、これを外したら冒険の価値は半減というものだ。
 エジプトを一周して「アフリカ大陸制覇」としてしまっているのも疑問を感じる。エジプトはアフリカか中東か、という疑問は昔からあるし、やはりアフリカ大陸制覇を公言するにはケープタウンを拝んで来るべきであっただろう。
 同様に、オーストラリアも東海岸だけ旅行して終わりにしてしまっている。中国が全く抜けているのも残念だ。まだインド人の中国入国は規制が厳しいのだろうか?
 バーラドワージ氏によると、ヨーロッパやオーストラリアはとても美しい場所がいくつもあったと言う。だが、アメリカは面白い場所が少なかったと語っていた。
 それにしても、インドが経済成長して来たことにより、経済的に余裕のあるインド人の行動パターンがだんだん日本人や先進諸国の人々と変わらなくなって来ているように感じる。バイクでインド一周、世界一周という発想は、一昔前のインド人ではちょっと考えられなかった。

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