新「Hindu Names」

 インドの固有名詞のカタカナ表記は、インドに関して何かを書こうとする全ての人々を悩ます大きな問題だ。だが、少なくともヒンドゥー教徒の名前に関してはいい本が出ている。故インディラー・ガーンディー元首相の義理の娘にあたるメーナカー・ガーンディーが著した「The Penguin Book of Hindu Names」という本だ。ヒンドゥー教徒の名前の多くを網羅しており、しかもヒンディー語特有の長母音・短母音をカバーしているところがよい。インドに関わる全ての人必携の書である。同書は5万部を売り上げるベストセラーになったという。
 その「Hindu Names」の新版が最近出版され、書店の店頭に並んでいる。今回は男の子と女の子の名前が別々の本になった。すなわち、「The Penguin Book of Hindu Names for Boys」と「The Penguin Book of Hindu Names for Girls」である。もちろん、網羅されている名前の数は増えた。

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 試しに旧版と新版を見比べてみたが・・・どの名前が増えたのか特定することはできなかった。映画スターの名前が新しく入ったのでは、と思い、リティク、カラン、プリヤンカー、カリーナー、カリシュマーなど、旧版に入っていなかった名前を新版で探してみたが、載っていなかった。・・・駄目じゃん!
 どれだけ増補されたのかを見極めるにはもう少し時間が必要のようだ・・・。だが、買って損はない本である。
“The Penguin Book of Hindu Names for Boys”
Maneka Gandhi
Penguin Books India, New Delhi, 2004
Rs.295
ISBN 0143031686
“The Penguin Book of Hindu Names for Girls”
Maneka Gandhi
Penguin Books India, New Delhi, 2004
Rs.200
ISBN 0143031694
 ところで、インドでは宗教ごとに名前が違う。よって、名前を聞いただけでその人の宗教を特定することが可能である。僕はイスラーム教徒、スィク教徒の名前に関しては、主に以下の本を参考にしている。
“A Dictionary of Muslim Names”
Salahuddin Ahmed
Global Book & Subscriptions Service, New Delhi, 1999
Rs.295
ISBN 1850653577
“Thought Provoking Sikh Names”
Ramesh Chander Dogra & Urmila Dogra
Star Publications, New Delhi, 2002
Rs.195(PB) Rs.295(HB)
ISBN 8176500518

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他にもっといい本があるかもしれないが、とりあえず今のところこれらの本で不足はしていない。
 インド人の名前というのは、面白い一方で非常に難しい。例えば「Hindu Books」の著者メーナカー・ガーンディーにしても、アルファベットでは「Maneka」と綴るのに、発音は「メーナカー」である。だから、インド人の名前は単純にローマ字読みすればいいというものではない。また、僕が個人的にものすごく欲しているのは、インド人の名字の辞典である。インド人の名字はカースト名と同一であることがほとんどで、名字を見れば相手のカーストや出身地、さらには大体の性格まで分かることが多い。ビジネスの観点から見ても、名字からビジネス相手の背景が何となく推測できることは大変有利なことではないだろうか?しかしそれを体系的にまとめた本には未だに巡り合えていない。

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6 Responses to 新「Hindu Names」

  1. ghalib says:

    ぼくも旧版を利用しています。これが刊行されたときは拍手喝采しました。
    ムスリム名については、名前の解説が学術的な上の本ももちろんすばらしいのですが、次のもパールスィーの名前も含んでいて利用度は高いかと思います。
    _The Complete Book of Muslim & Parsi Names_
    Maneka Gandhi and Ozair Husain.
    New Delhi: Indus (HarperCollins India), 1994.
    Rs.295
    ISBN: 81-7223-100-8

  2. Ogata says:

    大きくてカサが張りますが、以下の本もエントリー数が多く、なかなかいいですよ。
    "Indian Names"
    M.V. Kamath & Kalindi Randeri
    ARKANSH
    ISBN:81-88131-00-8

  3. るるる says:

    はじめまして。
    非常におもしろそうな本達ですね。
    この記事を読んでて人から聞いた話を思い出したので書き込みさせてください。
    日本でも奈良県でカースト制度のような名残があるそうです。苗字を見ればそれがわかるらしく、たまにひどい会社では就職の採用の際に低い身分とされていた苗字の人をとりたがらなくて不採用にしてしまっていた現状があったようです。
    しかし最近そのような差別についての条例ができたようですが。

  4. arukakat says:

    情報ありがとうございます。インド人の名前に関しては、「これでインディア」本編の方にも少しだけ詳しく書きました。しかし、るるるさんの書き込みを読むにつけ、自分に日本の知識がかなり欠落していることを改めて思い知らされました。たしかに日本でもそういう話はありますね。奈良県だけではないと思います。インドのことなら割と自由にいろいろ言えるのですが・・・。

  5. M.Hyderabadi says:

    karishmaはペルシャ語彙なので載っていないのでは?
    語源も関係なく載せてるのでしょうか?
    知り合いの友達のヒンドゥー教徒はフサイン、サリームという名前です。子供がなかなかできなかった両親が聖者廟に子宝祈願して生まれたので、あやかって聖者の名前をつけたとか。ものすごい例外ですけどね。

  6. arukakat says:

    確かにkarishmaはペルシア語でしたね。ヒンドゥー教徒の名前の本には、主にインド神話やヒンドゥー教に関連する名前のみが載っています。しかし、ヒンドゥー教徒でも、アラビア・ペルシア語の語彙から選んで名付けすることは、それほど稀なことではないでしょう。以下の本には、Ekram Singh, Luqman Singh, Maulavi Prasad, Navab Rai, Musafir Pathak, Akbali Singh…などなどの例が載っていました。
    "The Book of Indian Names"
    Edited by Raja Ram Mehrotra
    Rupa, New Delhi 1994
    Rs.295
    ISBN 81-7167-542-5

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