インド映画音楽に蔓延する盗作

 12月3日付けのタイムズ・オブ・インディア紙に、ボリウッド映画音楽の盗作に関する記事が掲載されていた。インドでヒットしている映画音楽の大半は、「ソース」があるようだ。以下、いくつか例を載せておく。
■Pal Pal Har Pal
映画:Lage Raho Munnabhai
作曲:シャーンタヌ・モーイトラ
原曲:クリフ・リチャードの「Theme For A Dream」
■Dil Mein Baji Guitar
映画:Apna Sapna Money Money
作曲:プリータム・チャクラボルティー
原曲:マイアミ・バンドの「Sheloha Shela」
■Kya Mujhe Pyar Hai
映画:Woh Lamhe
作曲:プリータム・チャクラボルティー
原曲:ピーター・パンの「Tak Bisakah」
■Tu Hi Meri Shab Hai
映画:Gangster
作曲:プリータム・チャクラボルティー
原曲:オリバー・シャーンティ&フレンズの「Sacral Nirvana」
■Dil Na Diya
映画:Krrish
作曲:ラージェーシュ・ローシャン
原曲:カプタンザーディー・アリー・リザ・ベイの「Ceddin Deden」
■Chanda Chamke
映画:Fanaa
作曲:ジャティン・ラリト
原曲:マイアミ・バンドの「Aal-Samra Wil Beyda」


 かつてはボリウッドではアヌ・マリクがパクリ常習犯として知られていたものだが、今ではプリータムがその後を引き継いでいるようだ。
 ヒンディー語映画をはじめ、インド映画音楽のパクリ曲に関するリストを載せているサイトがある。ITwoFSである。
 このサイトでは、例えば、RDブルマン作曲、「Sholay」(1975年)の「Mehbooba Mehbooba」がデミス・ルソスの「Say You Love Me」からインスパイアされている、ということから、ARレヘマーン作曲、「Muthu」(1995年)の「Thillana Thillana」のイントロが、ディープ・フォレストの「Night Bird」のイントロとそっくりであることまで、かなり詳細に分析がしてある。閲覧者からの投稿が大きな情報源となっているようだ。
 以前、ヒンズー語ではありません。で、アヌ・マリク作曲、「Murder」(2004年)の「Kaho Na Kaho」が話題に上っていたことがあった。この曲について、ITwoFSではさらに詳しく分析されていた。どうもまずはパーキスターン人歌手アーミル・ジャマールがアラビア人歌手のアムル・ディヤーブの曲「Tamally Ma’ak」にウルドゥー語の歌詞を付け足して自分の曲にし、その後それをアヌ・マリクが自分の作曲ということにして「Murder」のアルバムに加えたらしい。
 だが、さすがにラージェーシュ・ローシャン作曲、「Koi… Mil Gaya」(2003年)の同名タイトルソングのイントロが、日本人音楽家喜太郎の「夜明け」とそっくりであるところまでは嗅ぎつけていないようだった。
 タイムズ・オブ・インディア紙の記事は、「インドはベルヌ条約と万国著作権条約に加盟しており、世界中の作曲家たちはインドのパクリ作曲家たちに対していつでも法的措置を取ることができる」と締めくくられていた。ボリウッドのグローバル化は、近い将来、今まで見逃されてきたこれらの盗作問題を表面化させることになるだろう。

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3 Responses to インド映画音楽に蔓延する盗作

  1. 生捨 says:

    ご紹介のサイトでいろいろ聴き比べてみましたが・・、いや〜プリータム氏にはすっかり騙されました。
    なかなか良いと思ってたら、実は「Gangster」の曲ってほとんど「パクリ?」とは。
    にしても、その次の「Kya Mujhe Pyar Hai 」までくるとそのまんまパクリ過ぎで最早弁解のしようも無いですな。
    「Pal Pal Har Pal 」はメロディーラインが懐かしの曲っぽく感じたので、おそらく「パクリ」だと踏んでましたが、50年代UKロックとは少し意外でした。
    作曲家側もいろいろ東へ西へ「パクリ」のアンテナを広げてるようですが、昨今リスナー側もネットで原曲を簡単に聴ける世の中ですしね〜・・・。
    しかもこのサイトみたいに疑惑が簡単に共有&検証可能になってしまったから「パクリ」もラクじゃないですよね〜。
    まぁ大きな声では言えませんが、結果さえ(原曲よりも)良ければ「パクリ」もわりとOKな感じです、個人的に。(むしろ「パクリ?」を探す楽しみが大きいかも・・・。)

  2. arukakat says:

    生捨さん
    いやはや、便利な世の中というのは、時として不便な世の中なんですね、パクリ作曲家たちにとっては・・・。
    ボリウッド映画はますます海外で上映されるようになって来ていますので、後々問題を起こさないためにも、音楽家たちにはオリジナルで勝負してもらいたいものです。最低でも「カバー」ということにして、クレジットの部分に原曲の詳細を記したりすべきでしょう。

  3. arukakat says:

    付け足しになりますが、生捨さん、間違いのご指摘ありがとうございました(間違い指摘のコメントは、ご要望通り削除させていただきました)。

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